フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
“少女から大人”へ 15歳アリサ・リュウがフィギュア全米選手権で見せた変化…演技も容貌も
posted2021/01/19 11:01
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
1月14日から、ネバダ州ラスベガスで全米選手権が開催された。10月のスケートアメリカと同じ会場を使用し、無観客。関係者は到着後に新型コロナウイルスの検査を受けた上で、開催中は会場との往復以外、外部との接触を一切禁止。会見は全てズーム、という厳しい条件での開催だった。
テネルが2度目のタイトルを手に
女子のタイトルを手にしたのは、SP、フリーとも安定した演技を見せたブレイディ・テネルだった。若手たちが台頭してきても自分のペースを保って、着実に表彰台に上がり続けてきたベテランである。1月末で23歳になるテネルにとって、3年ぶりの全米タイトル。「大事なのは結果よりもその過程であるとよく言われるけれど、こうして結果を手にするとやっぱり嬉しいです」とズーム会見で喜びを表現した。
2位は21歳のアンバー・グレン。SPでは3アクセルに挑戦したが回転不足で5位スタート。フリーでは最後までノーミスで滑り切り、シニアとして初の全米選手権メダルを手にした。
3位は同じく21歳のカレン・チェンだった。SPではジャンプの回転不足が重なって4位だったが、フリーではミスを最小限に抑えて3年ぶりに表彰台に返り咲いた。
だがこの大会の女子で、もっとも印象に残ったのは15歳のアリサ・リュウだった。
別人のように成長したアリサ・リュウ
リュウは3年前に12歳で3アクセルを成功させ、13歳で史上最年少の全米チャンピオンになって注目を浴びた選手である。だがISUの年齢制限のため、そのシーズンはジュニアGPシリーズにすら出場できなかった。昨シーズンはジュニアGPレイクプラシッド大会で女子として初めて、3アクセルと4回転ルッツを同じプログラムで成功させるという記録を作り、全米を2連覇。世界ジュニア選手権では3位だった。
だが今回氷の上に出てきたリュウは、昨年までの「とにかく楽しくて仕方ない」という無邪気な表情で滑っていた少女ではなかった。まず容貌が、激変と言っても良いほど変わっていた。