フランス・フットボール通信BACK NUMBER
空港に閉じ込められ...対戦相手から「昨夜はよく眠れたのか?」 ある代表チームを襲った“衝撃の事件”とは?
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byFacebook Fédération Gabonaise de Football
posted2021/01/24 06:00
ガボン代表団はバンジュール空港の地面で一夜を過ごすことになった
「疲労が残ったままで、僕らはまるで本物の戦場――復讐のための闘いの場にやって来た気分だった」とムファ・メズイは振り返る。
「誰もが押し黙っていたが、何をすればいいかよくわかっていた」
消耗し、精彩を欠く、レ・パンテールの不利は試合前から明らかだった。そのハンディキャップは、後半のムファ・メズイの大チョンボとなって現れた。「ボールの跳ね返りに惑わされた」と彼は失点の瞬間を振り返る。
さらにもう一度、レ・スコルピオンはレ・パンテールに大きな一撃を加えた。アディショナルタイムに入ってブルノ・エクルマンガが1点を返したが、ときすでに遅くガボンは1対2でガンビアに敗れた。
「引き分けで終えることができたら、『君らの謀略を無に帰することができた』と言えたのに」とムファ・メズイは悔やむ。
「ピッチの上で僕はガンビアの選手たちからこう言われた。『昨夜はよく眠れたのか?』と。彼らはすべて知っていた」
「どう考えても普通ではない」
ヌグエマは明確な妨害行為を指摘する。
「ガボン政府はこの非友好的な行いに正式に抗議する。こんなことはアフリカの精神に反する。スタジアムにはガンビアのスポーツ大臣と協会会長の姿もなかった。これほどの腐敗を2度と繰り返さないためにも厳罰が必要だ」
ほぼ20年をアフリカ各地で監督として過ごしたヌブーは、「何人かの選手が、今後クラブから代表戦への参加を拒否されることを危惧する」と語る。
「そうなったら大きな後退だ。アフリカの現状を考えたときに、最も憂慮すべきことだ」
帰国の手続きは、入国に比べずっと簡単だった。
「すべては不測の事態として処理された」とムファ・メズイが憤る。