フランス・フットボール通信BACK NUMBER
空港に閉じ込められ...対戦相手から「昨夜はよく眠れたのか?」 ある代表チームを襲った“衝撃の事件”とは?
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byFacebook Fédération Gabonaise de Football
posted2021/01/24 06:00
ガボン代表団はバンジュール空港の地面で一夜を過ごすことになった
「ベナンはホテルで3日間も給水をストップされた」と彼は言う。
今はルクセンブルクのFCロダンジュでプレーするムファ・メズイの頭には、数時間の出来事が鮮明に蘇るのだった。
「空港に到着して行列に並び、税関に辿り着き書類を書き込むこと自体が驚きだった。でも僕らは口を噤んでそのことは一切話さなかった。その後でパスポートを押収された。たぶん入国料が欲しいんだろうと思ったが、PCR検査の話をされたときは少し話し合った後にここを動かないことに決めた。自分たちが正しいと確信していたからね」
すべては5時を迎えるころに明らかになった。ヌグエマの携帯にヌブーから連絡が届き、食料を携えた彼は料理人とともに大急ぎで空港に向かった。
「私は選手たちと空港に留まり続けた。それが外交的なトラブルにまで発展した」とヌグエマは語る。
やっとホテルに着いたと思ったら……
彼は大使に空港当局に連絡するように要請し、彼らが解放されたのは朝の6時を過ぎるころだった。ムファ・メズイがそのときの様子を語る。
「チーム役員がパスポートを回収した。さらに長いやり取りを経て荷物も受け取り、ようやくバスでホテルに向かった。ただ、ホテルも空港から離れていて、着くや否や僕らはシャワーを浴びて食事の前に少しでも眠ろうと努めた。でもそこで停電が起こって……」
試合当日の昼過ぎにアフリカサッカー連盟(CAF)は声明を発表。「この事件を調査検討し、誰に責任があり、誰を処罰すべきかをハッキリさせる」と表明した。
一方のガボン代表は、十分な睡眠が取れないままにバンジュル近郊のバカウにある独立記念スタジアムに到着した。