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100年以上続く日本人との縁… なぜフットボール王国ブラジルが大リーガー&NPB選手を輩出できるのか
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNaoya Sanuki
posted2021/01/17 06:01
2013年WBC、日本と対戦したブラジル代表の松元ユウイチ。彼らのようなブラジル出身選手が日米の野球界に存在する
投手のプロ第1号は、エンリケ・シゲオ・タマキ(日本での登録名は玉木重雄)。打者の手元で鋭く曲がるスライダーと落差のあるカーブ、スプリットが持ち味の右腕で、1996年から2004年まで広島カープで、2005年から2006年まで楽天イーグルスで活躍。10年間で34勝8セーブ5ホールドを記録した。
ツギオ・レイナルド・サトウ(ツギオ佐藤。佐藤允禧の息子)は、大柄でパワフルな二塁手。1999年から2003年までヤクルト・スワローズでプレーした。
日本で玉木と並んで最も成功したのは、ユウイチ・マツモト(松元ユウイチ)外野手兼内野手だろう。ミートがうまく、パワーもあり、多くのポジションを守れる器用さもあった。2002年から2015年まで14年間、ヤクルトでプレーし、通算240安打、115打点、11本塁打という成績を残した。またサウスポーのオスカール・ナカオシ(仲尾次オスカル)は伸びのあるストレートが武器で、2016年から18年まで広島カープに在籍。2勝1ホールドだった。
この他、出場機会は少なかったが日本のプロ球団に在籍した選手が数人いる。
大リーグで100本塁打はなった選手も
ブラジル最初のメジャーリーガーは、ヤン・ゴメス捕手(現在33歳。以下同)。大柄で強肩のパワーヒッターだ。
11歳で両親と共にアメリカへ移住し、2009年、トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結ぶ。2012年5月にメジャーに昇格してデビュー。2013年からクリーブランド・インディアンスでプレーした後、2019年からワシントン・ナショナルズに在籍している。2020年までのMLB9年間の通算成績は、654安打、364打点、103本塁打である。
投手で最初にMLBでプレーしたのは、アンドレ・リエンゾ(32)。2006年にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結び、2013年7月にメジャーに昇格した。2015年にマイアミ・マーリンズへ移籍し、MLB3年間の通算成績は6勝9敗、防御率5.90。2018年からメキシコリーグでプレーしている。