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“世界ラグビーのトップ” ボーデン・バレットは「神戸製鋼を変えた」ダン・カーターになれるか?
posted2021/02/19 17:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Aki Nagao
当初の予定からほぼ1カ月遅れで、ラグビートップリーグが2月20日に開幕する。
トップリーグの外国人選手は実にゴージャスだ。ワールドクラスが数多く参戦している。
19年W杯優勝の南アフリカ代表からWTBのマカゾレ・マピンピ(NTTドコモ)、ニュージーランド代表をユーティリティバックスとして支えてきたベン・スミス(神戸製鋼)、オーストラリア代表主将のFLマイケル・フーパー(トヨタ)らが、日本のピッチに立つ。
ワールドカッププレーヤーは、彼らだけではない。マピンピが加入したNTTドコモでは、ニュージーランド代表スクラムハーフのTJ・ペレナラが世界基準のスキルを見せていく。スクラムハーフと言えば、スコットランド代表の主力を担ってきたグレイグ・レイドローもNTTコムの一員となった。日本代表と各国代表の競演が、およそどのカードでも実現する。
注目すべき選手は多い。ひとりに絞り込むのは難しい。そのなかでも、サントリーのボーデン・バレットはラグビー関係者とファンの視線をひと際集めているに違いない。
ニュージーランド代表のユーティリティバックスとして知られるバレットは、15年と19年のワールドカップに出場し、16年と17年にワールドラグビー年間最優秀選手に輝いている。キャリアのピークにある29歳は、世界のラグビー界のトップ・オブ・トップに君臨するひとりだ。
サントリーが王者の座を譲った神戸製鋼には……
サントリーは沢木敬介監督(現キヤノン監督)と流大キャプテンのもとで、16-17シーズンと17-18シーズンにリーグ連覇を達成した。しかし、18-19シーズンは神戸製鋼に王者の座を譲った。元ニュージーランド代表のダン・カーターが加入してきた名門に、リーグ戦と1位~8位決定トーナメント決勝で連敗を喫したのだった。
日本選手権の決勝を兼ねた1位~8位決定トーナメント決勝では、5対55の大敗を喫した。勝利した神戸製鋼の橋本大輝キャプテンは、試合後の記者会見でダン・カーターについて問われ、「ヘッドコーチとともに、明確な方向性を示してくれた」と振り返った。