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プロ野球、自主トレでヤクルト村上宗隆らに陽性判定が…契約期間外でも球団が管理すべき?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHINBUN
posted2021/01/09 11:02
自主トレ中にPCR検査で陽性判定が出たヤクルト・村上(写真は昨年1月の自主トレの様子)
このときに完全にチームとしての動きをストップした球団と、ある程度練習場所を提供して、その中で個人練習を行なった球団とがあった。
もちろん完全にストップするという考えは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ上ではベストな方法だったかもしれない。ただ、その一方で選手たちはキャンプで作り上げた体を維持できずに、開幕に向けてリスタートした時にはかなり影響があったという声も聞こえてきている。
またチーム活動を完全にストップして、練習施設まで閉めてしまうと、自宅で体力強化の練習はできるかもしれないが、器具を使ったりランニングをするためにはそれこそ公園や他の施設を使わなければならなくなる。
「それなら完全に感染予防策を施した練習場所を提供した方が選手のためにはプラスになると判断した」
ロッカーや食堂でグループが重ならないように
そのときにジャイアンツ球場で個人練習という方法を採用した巨人の今村司社長の説明だ。
参加選手をグループ分けして、ロッカーや食堂でグループが重ならないように完全入れ替え制にした。選手は自宅から車でジャイアンツ球場との間を往復するだけで、食事も寮生はもちろん寮でだが、自宅の選手も個人で食べること徹底した。管理された練習場所で粛々と練習を行なっていく。
それが首都圏に緊急事態宣言が出された中で、プロ野球界が正しく恐れながら開幕に向けて準備を整えていく方法ではないだろうか。
緊急事態宣言が発出されたのはいまのところは首都圏だけだが、大阪府や愛知県でもおそらく近いうちに発出されるだろう。
またプロ野球界のキャンプ地となる宮崎は県独自の緊急事態宣言が発せられるなど、感染拡大は危険な兆候を示し、沖縄も予断を許さない状況が続いている。