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唯一無二の小さな点取り屋。引退の佐藤寿人が極めた哲学。~Jリーグ最多220ゴールの職人~
posted2021/01/11 07:00
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph by
(c)JEFUNITED
正真正銘の点取り屋がついにスパイクを脱いだ。ジェフ千葉(J2)の佐藤寿人だ。
稼いだゴールはJ1、J2合わせて220。Jリーグの最多記録だ。J1通算161得点は歴代2位で、2012年にはJ1の年間MVPと得点王の二冠を手にしている。
生粋の職人だった。複数の役割をこなす選手が重宝される風潮の中、しぶとく前線に張りつき、点取り屋の使命をまっとうしたからだ。
昨今のFWは何でもこなす。良く言えば万能、悪く言えば器用貧乏。多数派は後者だろうが、寿人はそのどちらでもなかった。170cm。小さな体で大男たちを出し抜いてきた。プロの世界で生き残っていくには何か武器を――との一念から磨いたのが、ワンタッチで獲物を仕留める「瞬殺芸」だ。