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「何で私がバードマンなんだ?」名レスラー、ダニー・ホッジ逝く…“ノールール最強”の異色な才能 

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高木圭介

高木圭介Keisuke Takagi

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photograph byAP/AFLO

posted2020/12/29 17:00

「何で私がバードマンなんだ?」名レスラー、ダニー・ホッジ逝く…“ノールール最強”の異色な才能<Number Web> photograph by AP/AFLO

オクラホマ大学時代のダニー・ホッジ

「何で私がバードマンなんだ?」

 ギリシャのイカロスは別として、それまで日本国内で「鳥人」の異名で呼ばれた存在は大正時代の映画スタア・高木新平や、戦前映画界で「昭和の鳥人」と呼ばれたアクションスタアのハヤフサヒデト、そしてコウモリ(哺乳類)のはずなのに、日本のTVドラマ版で「怪鳥人間」なる謎の冠がつけられてしまったバットマン、フォーリーブスが主題歌を歌っていた米国産アニメ『電子鳥人Uバード』、ウクライナの棒高跳び選手、セルゲイ・ブブカ、プロレス界ではドロップキックを得意としたアントニオ・ロッカらがいる。しかし、ドロップキックは得意技としていたものの、ホッジに「鳥人」のイメージは乏しい。

 ホッジ本人に日本で「鳥人」と呼ばれていることについて訊ねてみたのだが、首をかしげつつ「何で私がバードマンなんだ?」と、鳥の仕草をマネしつつ大笑い。日本国内での「鳥人呼ばわり」はまったく周知していない様子だった。

 鉄人、神様、銀髪鬼、人間発電所、荒法師、人間風車、鉄の爪、黒い魔神、魔王、仮面貴族、人間山脈、不沈艦etcと、昭和期を飾った外国人プロレスラーの異名は、意味こそ少々不明だが傑作が多い。しかし、ホッジの「鳥人」は失敗作の部類に入るだろう。日本で「まだ見ぬ強豪」であり続けたアントニオ・ロッカとも丸被りだし……。 

 インタビュー時、あらためて、プロレスラーとしての必殺技を問うてみたところ、ホッジの答えは「私の必殺技はコンディション。いつでも60分、90分を戦い続けられるコンディションにあった。コンディションさえ保っておけば、レスリングの攻防でもパンチの攻防でも負けない」だった。

 その言葉は、トップアスリートだった者のみが有する自信に満ち溢れていた。合掌。

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