濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
としまえんでもスカイツリーでも電流爆破! アイドルレスラーも参戦のDDT路上プロレスと“映像戦略”
posted2020/12/30 17:08
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
(C)DDTプロレスリング
かつてのK-1はブランド別に地上波3局で中継されていたが、今のプロレス界も多チャンネル(多メディア)時代を迎えている。
地上波だけでなくCS・ケーブル局での中継があり、近年はそこにネット配信が加わった。DDT、プロレスリング・ノアを扱うABEMA、ニコニコ動画にもプロレス専門の有料チャンネル『ニコプロ』があり、WWEや新日本プロレスをはじめ自前の配信サイトを持つ団体も少なくない。
「配信がなかったら厳しかったと思います、今年は」
そう語るのはDDT、ノアを運営するCyberFightの社長、高木三四郎だ。コロナ禍が直撃、興行が開催できない中で映像配信の収入は大きかった。高木は早くから映像配信に熱心で、入場料収入だけに頼らない経営を志向してきた。そのことが今年、予想もしない形で活きたのだ。
正直、予算はかかるんですけど(笑)
DDTとノアが無観客試合に積極的だったのは、配信サイトWRESTLE UNIVERSE(レッスルユニバース)というプラットフォームがあるからこそ。高木は「DDTにとってABEMAとユニバースが映像の2つの柱になってます」と言う。
「ABEMAでメインになるのは路上プロレス。よりバラエティ色が濃くて、世間にアピールできるコンテンツです。ABEMA格闘チャンネルで配信されているK-1や修斗、ONE Championshipといったシリアスな競技との差別化という意味でもエッジの効いたものがいいだろうと。
そこで興味を持ってくれた方に、会場に来ていただいたりユニバースに加入していただければ。ユニバースでは普段の興行をすべて見てもらえる。こっちも充実させなきゃということで、リーグ戦『D王グランプリ』では毎大会、実況・解説をつけました。正直、予算はかかるんですけどね(笑)。喜んでもらえるなら、ということで」