濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
としまえんでもスカイツリーでも電流爆破! アイドルレスラーも参戦のDDT路上プロレスと“映像戦略”
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by(C)DDTプロレスリング
posted2020/12/30 17:08
カオスっぷりが魅力のDDT名物・路上プロレス。ABEMAでの配信の中核をなすコンテンツだ
閉園数日前のとしまえんで路上電流爆破デスマッチ
DDTがサイバーエージェントグループ入りする際、アピール材料になったのが路上プロレスだった。キャンプ場、店舗内、プールに海に東京ドーム全域。リングを設置せず、ありとあらゆる場所で闘う路上プロレスはDDT名物であり、高木との会食の際にその映像を見たサイバーエージェントの藤田晋社長は「これはABEMA向きだ」と感じたという。
今年は「ABEMA路上プロレス」を4度開催。舞台はそれぞれ「さいたまスーパーアリーナ全域」、「ABEMAのスタジオビルと渋谷のクラブ」、「閉園数日前のとしまえん」、「スカイツリーを見上げる東京ソラマチ」だった。しかも今年は大仁田厚が路上プロレスに参入。全大会、メインイベントは「路上電流爆破デスマッチ」となった。
クロちゃんが大仁田に勝利するという“事件”
カオス度がさらに増す中、12月23日の「スカイツリー路上爆破」では安田大サーカス・クロちゃんが大仁田に勝利するという“事件”まで発生した。そもそもどうしてクロちゃんが試合をしているのかという問題があるのだが、なんとなくそれが「あり」に思えてしまうのも路上プロレスである。
「クロちゃんは今みたいにドッキリとかで話題になる前から注目してたんですよ。ウェイトトレーニングのジムでよく顔を合わせてたんです。その頃は週5くらいでジムに行ってたんですけど、クロちゃんは毎回のように会う。この人、何してるんだろって(笑)。ヘタなレスラーより重いバーベル挙げてましたからね。でも、それだけ体ができているし、売れっ子芸人だから勘もいい。いつかウチに出てほしいなと思ってました」
単に芸能人に試合をさせて“数字”を稼ごうというのではなく「この人ならできる」という裏付けがあってのことなのだ。DDTのリングには芸能人が上がることもしばしば。そのあたりの匙加減は絶妙というしかない。