ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
メッシ好きの息子と父親ウッズの競演、男女ミックス大会の実施…改めて問われるゴルフの可能性
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byGetty Images
posted2020/12/27 11:00
長男チャーリーくんとラウンドするウッズ。プレー中の仕草はパパそっくり!
改めて問うツアー、プロゴルファーの価値
日本国内のツアーでは今年、予定されていた試合の7割弱が中止、延期等に追い込まれた。男子は19試合、女子は23試合が実施されず、選手に支払われる賞金でそれぞれ約19億円、24億円が宙に浮いた。
ファン、メディア向けのリリースでは各大会が一様に「感染拡大防止のため」と発表したが、実際には主催者の経営的判断で開催を取りやめた大会も多い。
一方で大企業のスポンサードによるツアー競技とは異なり、小口の支援者を集めるなどしたプロアマ戦や地域に根差すローカル大会が新たにいくつか実施された。前者の試合とは大きく違う点が、この大変な時期にも“ゴルフトーナメントを必要とする人々”が主体となって企画・運営を行っていることである。
新型コロナウイルスは人々に生活様式の刷新を求めた。とくにプロスポーツをはじめとしたエンタテインメント業界には、各イベントや存在そのものすらも「それ、本当に必要ですか?」と再考を厳しく迫ってきた。
プロゴルフ興行の必要性を訴えるには、広告宣伝や額面上の利益はもとより、業界全体への期待値向上、地域活性、はたまた未来への投資……といった具体的なビジョンが欠かせない。
ゴルフゲームが持つ可能性は? ゴルフツアーの意義は? プロゴルファーの存在価値は? 改めて今、そう問われている。