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<あのアスリートタレントが激白!> 武井壮 「ゴルフは実は一番難しいスポーツだ」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/02/05 06:10
昨秋発売の雑誌Number Do『この秋、知っておきたいランのABC』の
第2特集『アスリートはゴルフに夢中』より、ゴルフをも極めようとする
武井さんのストイックなトークを動画とともに全文公開します!
最近女子プロゴルファーの間でこんな噂が広まりつつあるらしい。
「武井壮がヤバい」
十種競技の元日本王者にしてスポーツ万能の肉体派タレント。史上最強の生物を目指す男はゴルフをやらせてもやはりタダモノではない。プロを目指してアメリカで4年間のゴルフ留学も経験したが、本当にハマり始めたのはつい最近だという。女子プロも戦慄させる“百獣ゴルフ”の極意とはいかなるものか。
体と道具を正しく使わなければ、球は飛ばない。
僕なんてまだ下手です。みんなは「走るの速いし、ゴルフも上手い。すごいですね」って言ってくれますけど、今はパープレーとか1オーバーぐらいですから。僕がゴルフを正しくできるようになったら毎日65くらいでは回れると思うんです。
スポーツはゴルフも野球もサッカーも僕のなかでは同じ。どれだけ自分が思った通りに、自分の体を使えるかが重要なんですよ。ある競技が得意な人でも、他のスポーツをするとうまくいかないのは、反復練習で強くなったからだと思うんです。だから、その競技の技術は高くなっても違うことをやろうとするとできない。それって職人的なすごさですよね。ただ僕はそうじゃなくて、見たらできる、言われたらできるという能力をずっと鍛えてきたんです。
全力で走ったりするパートがないだけでゴルフにはすごくスポーツ的な要素が多いと思う。球を飛ばすのに体を正しく動かして、さらに道具を正しく使う技術もないといけない。実は一番難しいスポーツなんじゃないかと思っています。
十種競技で頂点を極めた武井は、もっと世間に影響力のある競技を求めてゴルフに目をつけた。ちょうどタイガー・ウッズが台頭してきた'90年代終盤。その存在感の大きさに憧れて米国へと渡った。しかし、本場でのゴルフ修行は不完全燃焼の日々だった。
“正しいこと”を教えてくれる人がいなくて苦しんだ。
プロになるようなゴルファーはみなさん球を打つスペシャリスト。小さなミスはしても、僕らがやるようなべちゃっとかゴソっていうミスは絶対しません。ただ、運動能力なら負けないはずだと思っていたんです。
だから最初に苦しんだのは、僕が求める“正しいこと”を教えてくれる人が周りにいなかったこと。僕の体は言われたらできるのに、みんな教え方がぶつ切りなんです。形をこうしろとか、ここにクラブを上げろとか。反復練習で覚えた人たちは、子供の頃から始めているので、いつのまにか自然と球を打てるようになってるんです。だからヘッドを動かすのにどの方向に、どういう力で上げろと説明してくれる人がいなかった。