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東洋大学・宇野博之×柏原竜二×川上遼平×田中貴章×山本憲二「山の神・柏原竜二と4人の絆」~同級生座談会~
posted2020/12/28 07:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Miki Fukano
箱根路で常に優勝を狙う位置につけ、代表クラスのランナーを次々と輩出。若き指揮官に導かれた鉄紺軍団は、駅伝界の顔になっている。初優勝を含めて3度の栄光を掴んだ世代が語る、東洋大躍進期の内実とは?
総合優勝4回、前回大会は10位に沈んだもののそれまで11年連続で3位以内をキープするなど、東洋大学は近年の箱根駅伝における主役であり続けてきた。だが、鉄紺軍団が強豪の一角と見られるようになったのは、「2代目・山の神」こと柏原竜二の世代が入学し、箱根路で初優勝を飾った2009年以降、わずか10年強に過ぎない。
では、興隆期にいた選手はチームが強くなっていく過程で、どう振舞い、何を目撃して、実績を積み重ねていったのか。
柏原、そしてチームで主力を担った宇野博之、川上遼平、田中貴章、山本憲二という個性豊かな5名の同級生が、母校の強さの秘密について語り合った。
山本 入学前、東洋ってイメージがなかったんだよね。ぎりぎりシード権をとれるかとれないかの順位が多かったから、高校時代に実績のない自分でも「ここなら箱根を走れるな」って、そんな気持ちだった。
田中 文化的に関西圏の三重出身だから箱根駅伝には思い入れがなくて、自分も似てるな。でも高2の時に見た箱根の1区で、ぶっちぎりの実力を持っていた東海大・佐藤悠基さんに、東洋の大西(智也)さんが一人果敢についていったのは強烈だった。
柏原 そう、あの時の大西さんはかっこよかった! 東洋のイメージはあの走り。