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朝日杯FS優勝“怪物の仔”グレナディアガーズの凄みと1番人気3着・福永祐一の「選択ミス」とは 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2020/12/21 11:30

朝日杯FS優勝“怪物の仔”グレナディアガーズの凄みと1番人気3着・福永祐一の「選択ミス」とは<Number Web> photograph by Photostud

ステラヴェローチェを抑え、7番人気の良血馬、グレナディアガーズが朝日杯FSを制した

福永祐一「選択ミスが響いた」

 2着のステラヴェローチェはそれまで道悪の経験しかなく、今回が初めての良馬場での競馬となった。高速馬場でも最後まで伸び切ったが、この馬の強烈な決め手は、距離が長くなり、出入りの激しい消耗戦となる来年のクラシックでこそ生かされるのではないか。

 ステラヴェローチェから1馬身半遅れた3着はレッドベルオーブ。福永は「3コーナーで勝ち馬の後ろを取れるチャンスがあったが、そこでの選択ミスが響いた」とコメントしているが、完璧に立ち回っていた。むしろ、3コーナー手前でも溜めたことにより、距離が延びてからの可能性を引き出したと言えよう。

種牡馬としての将来を約束された?

 グレナディアガーズの父フランケルは、英国で14戦14勝の戦績をおさめた怪物。種牡馬としても成功し、日本でも阪神ジュベナイルフィリーズとオークスを勝ったソウルスターリング、安田記念とフェブラリーステークスを制したモズアスコットといったGI馬が出ている。

 母のウェイヴェルアベニューは2015年の米国ブリーダーズカップフィリー&メアスプリントを制し、16年は同レースで2着となった快速馬。フランケルを配合するため米国から英国に移動し、それから日本に来た。持ち込み(海外で受胎し日本で生まれた馬)の本馬が初仔である。

 グレナディアガーズは早くも種牡馬しての将来を約束された感もあるが、その前に来年以降も、マイル路線やスプリント路線で主役級の一頭になりそうだ。

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