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【M-1グランプリ展望】ニューヨーク&見取り図ら再挑戦組か、錦鯉など初出場勢か…決勝9組の見どころ紹介
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byM-1グランプリ事務局
posted2020/12/20 06:00
M-1グランプリ2020で決勝進出したメンバー
同じく2大会連続出場となるのが、オズワルドだ。伊藤俊介の心地良い低音ボイスのツッコミとワードセンスは健在。ボケをたくさん入れて、畳み掛けるタイプではないが、職人芸のようなネタは準決勝でも観客を魅了。前回大会では、空前の大爆笑を起こしたミルクボーイの直後の出番という不運があっただけに、今大会に懸ける思いは強いに違いない。
マヂカルラブリーと上沼恵美子に要注目
最後は決勝に返り咲いた2組だ。3年ぶりに決勝進出を果たしたマヂカルラブリーは、『R-1グランプリ2020』を制してノッている野田クリスタルが、相変わらず摩訶不思議な世界にいざなってくれる。17年大会で彼らを酷評した因縁の上沼恵美子からどんなコメントを引き出すかにも注目が集まる。
キングオブコントでお馴染みのアキナも
一方、関西で絶大なる人気を誇るアキナは、16年大会以来、2度目の決勝進出。『キングオブコント』でも過去2回ファイナリストになっている彼らは、準決勝でも持ち前の演技力を生かしたネタで爆笑を取っていた。ボケの山名文和の表情や決めゼリフが、いちいち面白い。実は過去15回の歴史のなかで、決勝の舞台に返り咲いて優勝したコンビは、まだいない。その最初のコンビにアキナがなってもおかしくない。
M-1の女神に微笑んでもらうには、運を味方につけなければ難しい。1番手で登場して優勝したのは第1回大会の中川家しかいないし、どのコンビのどんなネタのあとに順番が回ってくるかも重要だ。しかも、コロナ禍において開催される今大会では、観客の入場制限を設けているため、これまでとは会場の雰囲気、笑いの起き方が大きく異なるに違いない。どれだけ早く波に乗り、その状況にアジャストできるか。さらに、敗者復活戦から勝ち上がってくる精鋭が、どんな波乱を巻き起こすのか。
史上最もハイレベルだった前回大会を超える熱い戦いに期待したい。
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