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西武・源田壮亮は3年連続ベストナイン受賞をなぜ「驚いた」のか “うまくいかないとき”も主将として…
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/12/17 17:01
今季から主将に任命された源田壮亮。来季もグラウンド内外でチームを引っ張る
秋山翔吾の後を託された主将任命
2020年シーズン、メジャーに移籍した秋山翔吾の代わりに主将に選ばれたのは源田だった。辻発彦監督からの指名である。
「監督に言われたときには、『はい、わかりました』と答えました」(源田)
主将となったことで、あらゆる場面でチームを代表して発言する機会が増えた。
「『キャプテンとしてどう思いますか?』という質問が多いので、常にチームのことをちゃんと見ていないと答えられない。これは、ちょっと今までとは変わらないといけないなと思いました。今までなら、そこまで気にしていなかったことにも、しっかり気を配っていかないといけないと思うようになりましたね。僕の発言がチームの見解として表に出るので、責任は重大だと思っています。
ただ学生野球のキャプテンとは違って、皆さんプロなんで、自分が何をしたらいいかってわかっているじゃないですか。それについて僕がどうこう言う必要もないかなって思っています。それにライオンズは誰かに何か言われなくても、自分で考えて動く人ばかりなので大丈夫だと……。でも常にアンテナは張りながら、目くばりして、周りを見ながらやっていければいいなと思っています」
開幕直後は打率1割台に低迷
シーズン中、辻監督はこんなことを語っていた。
「源田は今年の序盤、打つほうで結果が出なくて非常に悩んだと思うのですが、そういう悩みを感じさせないよう、ピッチャーにも声をかけてくれていたし、ベンチでも率先して声を出している。野球には失敗がつきものですから当然、ミスをする日もある。でもチームリーダーは、いちいち落ち込んで、弱気な姿を周囲に見せてはいけない。源田はおっとりしているから、もともとそういう感情を表に出さないですけど、今年はより一層、チームリーダーだという責任を感じてプレーしているんじゃないかな」
自身の成績が伴わないときに、周囲に気を配るのは簡単なことではない。特に今年は序盤から打線が沈黙。源田自身も開幕直後は1割台の打率に苦しんだ。なかなかトップバッターが固定できない中、1番を任される試合もあり、源田の責任は想像以上に重かっただろう。