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過去10年のプロ野球タイトルを“仮想1リーグ制”で算出してみると…驚愕の「セパ格差」が浮き彫りに
posted2020/12/16 11:05
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Naoya Sanuki
NPB AWARDS 2020が、12月17日に開催される。新型コロナ感染対策のため、例年とは違った形にはなったが、出席する選手にとっては最も晴れがましい場所であることに変わりはない。
MVP、新人王、ベストナインといった表彰選手だけではなく、タイトルホルダーが壇上に並ぶ。同数での受賞はあるものの、原則的に出席数に「セパ格差」はない。ところが、少し角度を変えると、おなじみの「パ強セ弱」の構図が見えてくる。
今シーズンの結果に象徴されるように、日本シリーズではここ10年でパ・リーグが9勝。コロナ禍で今年は中止されたが、交流戦は15年で14度パが勝ち越しており、12度、交流戦の優勝チームとなっている。
今シーズンのタイトル比較で「格差」を見る
さらなる「格差」を、今シーズンのタイトルホルダーで比較する。
まず野手部門は以下の通り。
【最多本塁打】
セ:岡本和真(巨人)31 パ:浅村栄斗(楽天)32
【最多打点】
セ:岡本97 パ:中田翔(日本ハム)108
【首位打者】
セ:佐野恵太(DeNA).328 パ:吉田正尚(オリックス).350
【最多盗塁】
セ:近本光司(阪神)31 パ:周東佑京(ソフトバンク)50
【最多安打】
セ:大島洋平(中日)146 パ:柳田悠岐(ソフトバンク)146
投手部門はこうなる。
【最多勝利】
セ:菅野智之(巨人)14 パ:千賀滉大(ソフトバンク)、石川柊太(同)、涌井秀章(楽天)11
【最優秀防御率】
セ:大野雄大(中日)1.82 パ:千賀2.16
【最多奪三振】
セ:大野148 パ:千賀、山本由伸(オリックス)149
【最優秀中継ぎ】
セ:祖父江大輔(中日)、福敬登(同)、清水昇(ヤクルト)30 パ:リバン・モイネロ(ソフトバンク)40
【最優秀救援】
セ:ロベルト・スアレス(阪神)25 パ:増田達至(西武)33
【最高勝率】
セ:菅野.875 パ:石川.786
以上の11部門を数字だけで単純比較する。
対戦相手が違うということを度外視して「1リーグ制」のように、12球団での最多をタイトルホルダーとすると、パが7部門、セが3部門、同数が1となる。これを10年分集計した。ただし、球団の育成能力や、リーグの底力を知るために、あえて外国人選手は除外した。
結果は想定内であり、想定以上でもあった。