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【FAウラ話】巨人との“競争”から降りた星野仙一、ダルビッシュ電撃トレード、稲葉の心に野村克也の教え
 

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posted2020/12/10 17:01

【FAウラ話】巨人との“競争”から降りた星野仙一、ダルビッシュ電撃トレード、稲葉の心に野村克也の教え<Number Web> photograph by JIJI PRESS

中日は1999年オフに工藤公康のFA獲得に動いていたが、指揮官・星野は途中で方針を変更。生え抜き選手たちへの思いを口にした(右は野口茂樹)

「途中からカネの競争になったとき考えたんだ」

<名言2>
カネの競争の挙句、生え抜きの給料トップの選手を抜くような選手を獲得すれば、チーム全体の心のバランスが崩れる。
(星野仙一/Number493号 2000年3月23日発売)

 1999年オフ。ダイエーの工藤公康はFAを宣言。最終的に巨人を選ぶが、実は星野が監督を務めていた中日も獲得に乗り出していた。

「もしジャイアンツが工藤獲りに手を挙げなければ、ウチも挙げることはなかった。ウチの問題もあるが、リーグ全体のバランスを考えても阻止しなくちゃならんからね」

 だが、星野ドラゴンズは途中でそのマネーゲームを自ら降りた。

「途中からカネの競争になったとき考えたんだ。オーナーはいくらかかっても獲得すればいいといってくれた」

 工藤獲得は間違いなく戦力アップになる。しかし、高額になればなるほど生え抜きの選手たちには軋轢が生じるだろう。カネで戦力を買うだけでは、強いチームは作れない。闘将・星野の繊細な“気遣い”を感じるシーンだった。

【次ページ】 野村克也の教えを日本ハムで

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