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グランアレグリア、前を塞がれてもキレキレの末脚でマイルCS圧勝! 今後は距離延長も?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2020/11/23 11:35
マイルチャンピオンシップを制したグランアレグリア
グランアレグリアが見せつけた凄まじい末脚
それでも、グランアレグリアの目の前にはアドマイヤマーズがいた。その外にはインディチャンプがいて、壁となって前を塞ぐ形になっている。
「いいタイミングで外に出せなかったけど、我慢しました」
そう話したルメールはまず内を突こうとしたが、前のアドマイヤマーズが内にモタれたので、すぐさま外へと進路を切り替えた。
ようやく前方がクリアになったが、もうラスト200mを切っていた。はたしてここから差し切れるのか。ルメールは言う。
「グランアレグリアは瞬発力があるので、スペースができてからすごくいい脚を使ってくれました。直線ではちょっとだけ心配しましたが、最後は強さを見せてくれました」
前のインディチャンプも伸びていただけにどうかと思われたが、そこからグランアレグリアは凄まじい末脚を繰り出した。
インディチャンプの外に並びかけたと思ったら、相手に抵抗する間も与えず抜き去り、3/4馬身差をつけてフィニッシュ。1分32秒0の勝ちタイムで、今年GI3勝目、通算4勝目をマークした。
着差は僅かだが、力の差は圧倒的
マイルGIとスプリントGIの2階級制覇につづき、今度は春秋マイルGI制覇。今年制した3つのGIは、すべて圧勝だった。安田記念の2馬身半差、スプリンターズステークスの2馬身差に比べると、今回の着差は僅かだったが、見せつけた力の差という意味ではほかの2戦と同等かそれ以上だったと言えよう。
牝馬によるマイルチャンピオンシップ制覇は、2008年のブルーメンブラット以来12年ぶり6頭目。安田記念とマイルチャンピオンシップの両方を勝ったのは史上12頭目で、同一年での制覇は前述したように8頭目である。