All in the Next ChapterBACK NUMBER
西岡剛が明かす来季展望「野球を続ける」川崎宗則とプレーして感じた不思議な力とは?
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byWataru Sato
posted2020/11/18 17:00
来季の去就が未定ながら、2021年への抱負を語った西岡剛。36歳となったいまも「野球が好き」という気持ちが原動力だと語った
決まっているのは「野球を続けることだけ」
――来年は、NPBを目指すことはもちろんだと思いますけど、こんな1年にしたいという抱負はありますか?
野球を続けることだけしか決まっていません(2020年11月15日時点)。メキシコでもオーストラリアでも、もしかしたらムネさん(川崎宗則)のように台湾とかアジアのリーグに行くかもしれない。でも、どこのリーグに入るのもそんな簡単じゃないですから。メジャーでやってました、じゃあ来てくださいとはならないんですよ。
――個人的にはNPBには復帰してほしいと思っています。G.G.佐藤さんのようにイタリアでプレーして日本球界に復帰するパターンもありました。
そうですね、諦めたら終わりだと思っています。諦めずに続けていくと何かが絶対に生まれる。それがNPBだけじゃなくても。今は、いろんな可能性を模索しながらチャンスを待っています。
西岡自身も驚いたムネリンとの相乗効果
――少しお話を戻します。今季、栃木では川崎宗則選手と一緒にプレーしましたね。
僕自身、野球を楽しんでプレーしていたつもりだったんですけど、川崎宗則という存在がそれをもう一度教えてくれた。試合は「試し合い」と書くからゲームなんだよ、と。心の底から楽しんでやるものだということを改めて教わりましたね。
――一緒にプレーしたのは2006年WBCや2008年北京五輪など。今とは動きが違いますよね?
それはもう求めても無理ですよ(笑)。歳を取るとイメージと体の動きが合致しない。それを重ねようと1人で必死に頑張るんですけど、絶対にできないんです。でも、驚いたことに、互いの良い時代を知っている2人が同じフィールドに立って、セカンドとショートに立ったら、イメージと体の動きが重なったんですよ。これはもう不思議な力ですよ。
――当時を思い出した?
そうかもしれないですよね。ただ次の日は、体はバリッバリ(笑)。
――動き過ぎてしまったんですね。
そう。だから、結局はマインドコントロールであったり、メンタルであったり、いかにモチベーションを高められるかが大事だと強く思いましたね。それはチームとして戦える軍団をつくるためにも。ムネさんと出会ったことで、その不思議な力の存在を知ったし、本来はそれを発揮させることは指導者の役割なのではないかなとも思ったんです。