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史上初の「秋のマスターズ」勝つのはパワーか、熟練の技か? 聖地オーガスタから届いた1通のメール
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2020/11/12 11:01
オーガスタ攻略へ自信をのぞかせたタイガーウッズ。史上初の「秋のマスターズ」は誰が制するのか
優勝候補はやっぱりデシャンボー
とはいえ、現実に目をやれば、優勝予想の筆頭は、やっぱりデシャンボーだ。
昨年大会を制したウッズは昨秋のZOZOチャンピオンシップでも勝利を挙げて通算82勝目を挙げたものの、その後の成績は下降の一途だ。
コロナ禍のツアー再開後、上位入りは一度もなく、メジャー大会を見ても、8月の全米プロは37位タイ、9月の全米オープンは予選落ちと振るわなかった。それでもウッズは、これから挑むマスターズで勝利する望みを捨ててはいない。
「このところの試合では、1つ1つは悪くないけど、すべてのピースを一度に嚙み合わせることができなかった」
しかし、隅々まで熟知しているオーガスタ・ナショナルで戦うのなら、オールピースを噛み合わせ、パズルを完成させられるとウッズは信じている。
「グリーンは思っていたよりソフトだが、今がどうであるかは、さほど問題ではない。水曜日の夜から木曜日にかけて、オーガスタは驚くほどその姿を変えるからね」
その変化に対応する自信があるのだとウッズは胸を張っている。
「グレートなプレーは必要ない」
優勝予想で4位に挙げられているジャスティン・トーマスは、ウッズをことさらにけん制している。
「オーガスタは本当に独特のコースだ。グレートなプレーは必要ない。そこそこOKのプレーをやり通すことが求められる。その意味で、タイガーを優勝候補から除外することは決してできない」
トーマスの考え方にも、ゴルフをパワーで凌駕しようとするデシャンボーへの静かなる反論が垣間見える。