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史上初の「秋のマスターズ」勝つのはパワーか、熟練の技か? 聖地オーガスタから届いた1通のメール
posted2020/11/12 11:01
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
マスターズ・ウィークが幕を開けた9日の月曜日、オーガスタ・ナショナルから1通の声明がメールで送られてきた。
ついに来るべきものが来た――てっきりそう思った。だが、メールを開いてみたら、声明の中身は、まったく予想外だった。
デシャンボーの影響? 予想される飛距離合戦
世界のゴルフ界は今、パワーゲーム化に拍車がかかろうとしている。いや、正確に言えば、ブライソン・デシャンボーがゴルフというゲームをパワーで凌駕しようとしている。
昨秋は190ポンド(約86キログラム)だったデシャンボーの体重は、マスターズ開幕を控えた今は240ポンド(約109キログラム)まで増えており、そうやって肉体を巨体化し、ゴルフルールの制限いっぱいの48インチのドライバーを握り、あらゆるパワーを最大化することでマスターズを制覇しようと彼は息巻いている。
デシャンボーが単に大風呂敷を広げているだけなら、人々は一笑に付すことだろう。しかし、すでに彼は9月の全米オープンを圧勝し、その後も巨体化への道をさらに進み、練習では45.5インチのドライバーで403.1ヤードを飛ばしたことをツイッターで明かして、周囲を驚かせたばかりだ。
そうやって結果や数字を出しているだけに、そんなデシャンボーに追随する動きも出始め、マスターズ3勝のフィル・ミケルソンも47.5インチのドライバーでマスターズに挑むつもりだと明かした。
米ツアー選手のドライバーの平均的な長さは44~45インチだが、デシャンボーやミケルソン以外にも46~47インチ前後のドライバーを使おうとしている選手もいる模様。今年のマスターズで用具合戦、飛距離合戦が展開されることは間違いない。