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きっかけはTV・ネット動画を見て練習…『ハイキュー!!』に描かれた“ありそうでなかった風景”とは?
text by
bookish(マンガナイト)bookish
photograph by古舘春一/集英社
posted2020/11/04 11:02
大人気バレーボール漫画『ハイキュー!!』がついに最終巻を迎える
スポーツ観戦のスタイルも“2020年版”
『ハイキュー!!』では、作中における「試合の観戦方法」も、2020年時点の私たちのスポーツ観戦のスタイルに一段と近づいた描写になっています。
日向翔陽含め、2012年時点で高校生だったキャラクターの何人かはやがてプロのバレーボール選手としてVリーグや2021年開催の「東京2020オリンピック」に出場します。
そして出場選手を応援するキャラクターたちは自宅のテレビだけではなく、パソコンなどで配信される映像を通じて観戦しています。なかには、ほかの場所で見ている人とやりとりしながら観戦する人も……。2020年時点の私たちのスポーツ観戦のスタイルに一段と近づいた描写で、作中でオリンピックが「2021年開催」という設定を考えると、十分にありうると思わせるリアリティがあります。
2012年以降の世界が描かれる『ハイキュー!!』では、このように至る所にこれまでのスポーツ漫画にありそうでなかった「デジタルネイティブ世代におけるスポーツとの向き合い方」が忠実に再現されています。2012年以降、日向らが高校生だった時にはなかった動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など新しいメディアも相次ぎ登場する今、次に生まれる人気作は、“動画配信サービスを通じたスポーツとの出会い”が盛り込まれる作品になるのかもしれません。
(【描き方編を読む】大人気バレー漫画『ハイキュー!!』は、なぜ“立体的”に見えるのか? 「他で見たことない!」3つの表現法)