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EL衝撃デビューでもリーグ戦は不発?…久保建英が「エメリ監督の要求以外にしていた」“2つの工夫”

posted2020/10/26 17:01

 
EL衝撃デビューでもリーグ戦は不発?…久保建英が「エメリ監督の要求以外にしていた」“2つの工夫”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

直前のヨーロッパリーグ(EL)で今シーズン公式戦初スタメンを飾り、1得点2アシストの結果を残した

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中西哲生+戸塚啓

中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka

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Daisuke Nakashima

 ついに、その日が来た。

 現地時間10月25日に行なわれたラ・リーガ第7節のカディス戦で、久保建英がビジャレアル加入後のリーグ戦で初先発した。直前のヨーロッパリーグ(EL)で今シーズン公式戦初スタメンを飾り、1得点2アシストの結果を残したことが、ウナイ・エメリ監督への確かなアピールとなったのは間違いない。

 カディス戦は0対0のスコアレスドローに終わった。62分に退いた日本人アタッカーに物足りなさを指摘するメディアもあるが、久保のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏は立場を異にする。久保の技術はもちろんプレー中の思考までを汲み取り、まったく違った角度から分析するのだ。

 ◆◆◆

エメリ監督の評価を変える「1ゴール2アシスト」

 1得点2アシストを記録したELのシワススポル戦は、久保にとって簡単な試合ではありませんでした。

 スペイン国内でも先発起用を待望されてきたなかで、ようやくそのチャンスが巡ってきた。ヨーロッパのコンペティションへのデビュー戦でもあった。2つの意味で「初めて」の一戦だったわけですが、ここで結果を残せなければエメリ監督の評価を変えることはできない。「なぜ久保は先発じゃないのか」と報じてきたメディアの風向きも変わっていく。プレッシャーを感じてもおかしくない試合だったのです。

 そのなかで、前半13分にこぼれ球をプッシュして先制点をあげ、20分にカルロス・バッカへのアシストで2点目を演出しました。30分過ぎにはPK獲得につながるパスも通した。

 後半には左CKからもアシストを記録しています。この試合はピッチコンディションが滑りやすくなっていましたが、技術の高さを見せることができていました。

 4-2-3-1のシステムでトップ下のポジションに入り、ゴール、流れのなかからのアシスト、セットプレーでのアシストと、分かりやすい結果を残したのは一歩前進と言うことができるでしょう。ウナイ・エメリ監督のポジション序列に、変化を及ぼすことができたに違いない。

エメリ監督が久保に要求していた「3つのタスク」

 そして、3日後のカディス戦でも先発に名を連ねます。

 カディスは2部からの昇格チームですが、ビジャレアル戦以前の6試合で3勝をあげています。前週のリーグ戦では、レアル・マドリーを1対0で下している。自分たちの守備に対する自信を深めて、ビジャレアル戦を迎えていたと考えることができます。

【次ページ】 あえてシビアな場所にポジションをとって……

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久保建英
ビジャレアル

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