酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
虎党の希望・大山悠輔は掛布雅之や岡田彰布以来の…週刊セパ好成績&珍記録まとめ
posted2020/10/13 06:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
セ・リーグは巨人の優勝が見えてきたが、パ・リーグは1、2位争いが佳境を迎えている。
【今週の“ぴかイチ選手” 阪神 大山悠輔】
巨人と並ぶ老舗球団の阪神タイガース、かつては「ダイナマイト打線」など破壊力を売り物にした時代もあったが、実は歴史の大部分は「守りのチーム」だった。広い甲子園を本拠として、小山正明、村山実、江夏豊など大投手が活躍したチームだったのだ。
阪神が打撃のチームだったのは、景浦將、藤村冨美男などが活躍した戦前から1リーグ時代と、バース、掛布雅之、岡田彰布の1980年代中期くらいである。
平成以降は他球団から獲得した大物打者や外国人打者を中軸に据えることが多くなった。この点は巨人と同じだが、巨人はそれでも松井秀喜、高橋由伸、阿部慎之助、岡本和真と生え抜きのスラッガーが生まれてきたのに対し、阪神は自前の強打者がほとんど育っていなかった。
21世紀で20本以上の生え抜きは4人だけ
21世紀以降、昨年まで阪神の生え抜き選手で20本以上を打った打者は4人(5回)しかいないのだ。
2005年 今岡誠29本
2004年 今岡誠28本
2017年 中谷将大20本
2009年 鳥谷敬20本
2006年 濱中治20本
この間、他球団育ちの選手や外国人選手は2010年ブラゼルの47本を筆頭に金本知憲、アリアスの3人が30本塁打以上を7回も記録している。21世紀の阪神打線は「助っ人頼み」だったのだ。
今季の大山悠輔は10月11日にも一発を放って25本塁打に到達している。阪神はまだ24試合あるから、30本はクリアできそうだ。
阪神生え抜きで30本塁打以上打った打者と言えば、大フィーバーを起こした1985年の掛布雅之の40本塁打、岡田彰布の35本塁打まで遡らなければならず、35年ぶりの快挙になる。