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虎党の希望・大山悠輔は掛布雅之や岡田彰布以来の…週刊セパ好成績&珍記録まとめ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/10/13 06:00
岡本和真と本塁打王争いを繰り広げる大山悠輔。甲子園でアーチをかける姿を阪神ファンも頼もしく思っているはずだ
そもそも阪神生え抜きで30本塁打以上打った打者は少ない。藤村冨美男(2回、最多46本)、別当薫(1回、最多39本)、田淵幸一(6回、最多45本)、掛布雅之(6回、最多48本)、岡田彰布(1回、最多35本)の5人しかいないのだ。
また大山は11日の一発で本塁打王争いで巨人の岡本和真と並んだが、阪神生え抜きで本塁打王になれば、1984年の掛布雅之(37本)以来36年ぶりだ。阪神生え抜きの本塁打王は掛布雅之(3回)、田淵幸一(1回)、藤本勝巳(1回)、藤村冨美男(3回)、松木謙治郎(1回)の5人だけ。
そして藤村、田淵、掛布は「ミスター・タイガース」の系譜だ。
守備面が安定したことで信頼向上か
大山は白鴎大学から2017年にドラフト1位で阪神に入団。当時の金本知憲監督から目をかけられ1年目から4番を打つなど期待されたが、ネックは守備だった。
1年目は一塁手、2年目から三塁に回ったが、2019年の守備率は.945、130試合で20ものエラーを記録した。セの三塁手で大山に次いで失策が多かった中日の高橋周平は8失策、守備率は.971と、ほかを大きく引き離しての最下位だったのだ。
今季も三塁手として84試合に出場しているが、失策は5、守備率は.973と大幅に向上している。守備での安定感が向上したことも、チームの信頼感を高めた一因にもなっているだろう。
今年の大山悠輔は、ある意味で「ミスター・タイガース」の後継候補になるテストを受けているようなものだ。試合数は例年より少ないが、何とかテストをクリアしてほしいと思う。
コロナ禍で飛車角落ちのロッテだが
<10月5日から10月11日までの1週間の成績>
【パ・リーグ】
○チーム成績
1西武5試合3勝1敗1分 率.750
打率.222 防率3.40
2オリックス5試合3勝2敗0分 率.600
打率.285 防率3.35
3楽天5試合2勝2敗1分 率.500
打率.258 防率3.00
4ソフトバンク6試合2勝3敗1分 率.400
打率.229防率2.21
4ロッテ5試合2勝3敗0分 率.400
打率.184 防率2.51
4日本ハム6試合2勝3敗1分 率.400
打率.219 防率3.27
10月6日、ロッテは選手、スタッフ、コーチ合わせて13人の新型コロナ陽性がわかり、翌日22人もの選手を入れ替えた。一軍昇格した選手の中には、佐々木千隼や細谷圭など今季一軍初昇格の選手が5人も含まれていた。
いわば「飛車角落ち」での戦いを余儀なくされたわけだが、それで2勝3敗はよくやったと言うべきか。しかし隔離された選手の大半が野手だっただけにチーム打率は.184まで落ち込んだ。新型コロナがペナントレースにここまで影響を及ぼしたのは初めてのケースだ。