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「もう名人は諦めていた」渡辺明三冠を救った“恩人”福永祐一騎手のひと言とは

posted2020/10/08 11:01

 
「もう名人は諦めていた」渡辺明三冠を救った“恩人”福永祐一騎手のひと言とは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

渡辺はタイトル戦でも着用した和装に着替え、福永との対談に臨んだ

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Takuya Sugiyama

 この秋、コントレイルで史上初の父仔無敗三冠に挑む福永祐一と、将棋界で名人、棋王、王将の三冠を保持する渡辺明。ターフと盤上、それぞれのフィールドの第一人者として戦う2人の対談がNumber秋競馬特集で実現した。

 2人が初めて顔を合わせたのは2013年に放送されたNHK Eテレの「SWITCHインタビュー達人達」だった。「30半ばに向けてどう伸びしろを作っていくかをまったく意識していなかった」という当時29歳の渡辺。今回Number誌面で福永と再会し、「(祐一さんから)お聞きした、フォームを全部変える取り組みをされているというお話には凄く影響を受けました」と振り返った。

 30代中盤を迎えた現在、渡辺の年間勝率は8割を超え、8月には名人を奪取するなど再び絶頂期を迎えている。30代に向けての変化――その背中を押したのが福永だったのだ。

一度は「名人を諦めた」

 渡辺はこの7年の間、順位戦A級からB級1組への降級を経験した。その時、一度は名人位を「諦めた」と明かした。しかし、「ノープレッシャーということもあって、ちょっとノビノビやってたら」B級1組を全勝、続くA級も全勝で名人挑戦権を得た。2期連続順位戦全勝は史上初のことだった。

「名人は、どうしても獲りたいタイトルとは思っていなかった……というよりは思わないようにしていたのかもしれません。たどり着いてみて初めて、『ここに来たかったんだ』と思いました」

渡辺と福永に共通する「肩の荷が降りた感覚」

 一方の福永も、7年間で大きく変化した。中でも渡辺同様、「勝ってみてはじめて、自分にとって必要な、大きなタイトルだったんだと気づきました」と語るのが、18年の日本ダービーだった。

【次ページ】「肩の荷が降りた感覚」

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