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藤井聡太二冠にそびえる豊島将之竜王の壁 衝撃の逆転負けと“貴族”が語った「評価値ディストピア」
 

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photograph by日本将棋連盟

posted2020/10/06 13:30

藤井聡太二冠にそびえる豊島将之竜王の壁 衝撃の逆転負けと“貴族”が語った「評価値ディストピア」<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

王将戦リーグ戦は豊島将之竜王が逆転勝利。藤井聡太二冠は連敗スタートとなった(別日撮影)

“貴族”こと佐藤天彦九段が語ったこと

 Number1010号の将棋特集での佐藤天彦九段(32)と中村太地七段(32)の対談の未公開部分をWebで記事にしたが、そのなかで興味深いのは評価値に対して棋士が持つ印象だ。

<例えば、ある対局でお互いに「9割くらい、これは詰まない」という認識を抱いていたとしましょう。ところが、AIがある一瞬だけは詰む可能性があったと数値で示したとする。それによって「あそこでこうしていれば勝てたじゃないか」と終わった後で批判はできるんですけど、それは2人の世界の理の外にある選択なんです。(中略)人が築き上げた世界において、価値観を転覆しろと言われているようなものです>

 AIが示す最善手が常に画面に現れる状況について「評価値ディストピア」という表現も広まりつつある。豊島竜王と藤井二冠という超トップ棋士でも、そういったことが起こりうる――将棋の難しさを改めて示す対局となった。

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