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田中賢介のセカンドキャリアは「小学校創設」 私財を投げ打ってでも進むピュアな動機
 

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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photograph byKyodo News

posted2020/10/05 11:01

田中賢介のセカンドキャリアは「小学校創設」 私財を投げ打ってでも進むピュアな動機<Number Web> photograph by Kyodo News

2022年4月に田中氏が理事長を務める小学校が開校予定。世界に挑戦する12歳を学校目標に掲げる

米国での生活も発想の起点に

 球団が一切関与しない、1人の私人としての活動である。

 現役時代から、夫人を理事長に据えた学校法人を立ち上げ、幼稚園運営などを行っていた。小学校開校までの土台を築いた上で、さらなる挑戦へと踏み切ることになったのだ。

 動機はピュアだった。

「北海道の教育環境に少しでも貢献したい。その中で、子供たちの選択肢、可能性を広げることができたら」

 2児の父でもあり、2年間米国で生活をした。家族で異国へと移住して子育てをし、多様な文化にも触れた。英語をマスターすることができず、なじめたとは言えない時間を過ごした。ほろ苦い経験をしたことも、今回の発想の起点のひとつになった。

 約4年前から計画を温めており、着々と水面下で準備を進めていたのである。引退時には札幌市内に小学校の建設予定地を取得できるメドをつけていた。数億円単位の資金計画も概ね、完成していた。琉球民謡が流れる定食屋で、野望を明かされた時点で教育界へ進出することは既定路線だった。

地名度があるとはいえ、容易ではない

 奔走する日々を、送っている。球団SA、野球解説者としての傍ら、理事長として手弁当で、地道に下地を整えている。資金面等で協賛してもらえそうな感触を得た企業、組織、団体へのアプローチも、自ら行っている。「毎日、毎日、かなり忙しくなってきた。時間がない」と、うれしい悩みを明かす。

 北海道内で「田中賢介」は抜群の知名度とブランド力を持つが、本プロジェクトへのサポートを得ることは容易ではない。

「ビジネスとして成立するとは考えていない」

 特に開校までにかかる運営資金は、シビアな現実問題である。当然のことだが、多額の私財も投じる。それでも十分とは言えず、法人だけではなく、個人を含めて広く寄付を募るなど苦心しながら進めている最中である。

【次ページ】 経験を生かした独自のカリキュラム

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