堂安が任された「右インサイドハーフ」

　ビーレフェルトの堂安律は、ブンデスリーガデビュー戦で上々のプレーを披露した。チームは昇格組ながらアウェーでフランクフルトから勝ち点1を奪っており、堂安は今後に向けて大きな希望となりうるプレーをみせたのではないだろうか。

　当初は右サイドの攻撃的な位置での起用が予想されていた。堂安自身も「そこが僕の一番好きなポジションです。でも監督とも話をしましたが、トップ下でもプレーはできます。そこで起用されても問題ないです」とビーレフェルト加入時に話していた。

　ところが、このフランクフルト戦では4－3－3システムの中盤右、いわゆるインサイドハーフと呼ばれるポジションでスタメン起用されたのだ。

　攻守両面で運動量が多く、常にプレーに関わることが要求されるポジションなのだが、これが思いのほかうまくハマる。相手のプレスを受けながらもそこでつぶされることなく前を向き、攻撃の起点を作り出したり、何度も激しいプレスでボールを奪取したりと、攻守にわたってチームに貢献した。

　プレーへの関与が多かったのはプラス材料だろう。

　ボールをキープして味方に預ける、キレのあるターンで相手を外してドリブルで運ぶ、サイドに持ち込んでエリア内の味方にパス、独力で持ち上がり相手2枚を外してクロスまで持ち込む、エリア外でパスを受けてターンから惜しいシュート、味方と連動してプレス、さぼらず守備にすぐに戻る……といった具合にだ。

堂安のボール奪取が先制点の起点に

　ビーレフェルトの先制ゴールも堂安のボール奪取が起点となった。フランクフルトMFバルコクに中盤でプレスをかけてボールを奪うと、そこからFWクロス、コルドバ、ソウコウとつながり、ゴールが生まれたのだ。

　23分に見せたプレーも素晴らしかった。自陣から突破してボールを持ち運ぶと、ペナルティエリア付近で一度は左サイドに追いやられながら、そこから鋭い動きで相手を外してクロスを送った。ゴールにこそ結びつかなかったが、ブンデスデビュー戦で確かなインパクトを残したのではないだろうか。

　何せ、フランクフルトサポーターが「ビーレフェルトが堂安を見つけてレンタルできるなら、何でフランクフルトは同じような補強ができないんだ」と思わずSNSでつぶやいてしまうほどの活躍だったのだから。

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