ひとりFBI ~Football Bureau of Investigation~BACK NUMBER
“空前の当たり年”「Jリーグ最注目ルーキー7人」は誰? 18歳荒木遼太郎、22歳安部柊斗って知ってる?
posted2020/09/20 11:30
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph by
J.LEAGUE
(1)三笘薫(川崎フロンターレ/筑波大出身)
まずはやはり三笘薫(川崎フロンターレ、23歳、178cm/71kg)でしょう。主に左ウイングとして起用され、16節終了時点で14試合8ゴール。途中出場が多いにもかかわらず、その“得点力”を証明しています。
三笘の魅力は何より「見ていてワクワクする」選手だということ。左サイドのオープンスペースが彼の主戦場です。ボールを受けると独特の間合いとリズムで相手をかわしていく。右利きの選手が左サイドで起用されると“カットイン”するパターンが多いですが、三笘はタテに抜けるドリブルが上手い。そしてタテ抜けしたあとのクロス、シュートも申し分ない。
ガンバ大阪戦(8節)で、大島僚太の得点をアシストした場面では左サイドのドリブルで3人の相手選手を引きつけていました。それだけ彼の1対1は相手チームの脅威になっています。
J1のウイングの選手ではすでに1、2を争うポジションにいるのではないでしょうか。ここで取り上げる他の選手と同じく三笘も東京五輪世代です。同じポジションには食野亮太郎(リオ・アヴェ/ポルトガル)や遠藤渓太(ウニオン・ベルリン/ドイツ)らライバルがひしめいています。課題の“守備力”を向上させれば、来年の東京五輪代表入りも十分ありえるでしょう。
(2)旗手怜央(川崎フロンターレ/順天堂大出身)
三笘と同じく、J1で首位を独走する川崎で活躍するのが旗手怜央(22歳、171cm/70kg)です。リーグ16節終了時点で(途中出場も多いものの)16試合に出場、3ゴールを挙げています。三笘のほうが目立ちがちですが、出場機会が多いのはじつは旗手のほうです。
左右のウイングで使われる機会が多いですが、左も右もインサイドハーフもこなせる「汎用力」があります。機動力あふれる攻撃も魅力ですが、守備のハードワークもできる。川崎は前からプレスするサッカーをしていますが、その戦術にピッタリ。しつこい守備を仕掛けてくるので、相手にとっては“めんどくさい”選手といえるでしょう。