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大坂なおみが語っていた国籍選択への思い「当たり前過ぎて、なんで?という気持ち」 

text by

長澤壮太郎

長澤壮太郎Sotaro Nagasawa

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2020/09/22 08:00

大坂なおみが語っていた国籍選択への思い「当たり前過ぎて、なんで?という気持ち」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

四大大会の本選に初出場した18歳の大坂なおみ。貴重なインタビューで彼女が答えた夢とは?

「同じ相手に2度負けるのは絶対に嫌だった」

――怪我さえなかったら結果は違ってた?

 沈黙が流れる。

「そう聞かれると自分の傲慢な部分が出てきてしまいます。自分は絶対勝てた、と思ってしまうことは否定できません」

 新星は、ためらいながらも強気を見せる。

――同じ選手に2度負けるのは嫌いだということは、次にアザレンカと対戦する時は気合いが入りますね?

「Yes」

 少し不敵に、口角が上がるのが見えた。

姉に負け続けても、アドバイスを請うことはなかった

 日本人の母親とアメリカ人の父のもと、大阪で生まれた彼女は、3歳で家族とともにニューヨークに渡り、そこからフロリダに移った。

 テニスを始めたのもその頃で、きっかけは姉のまりさんの影響だったという。姉妹は毎日対戦するようになったが、スコアは姉のまりさんが常に圧倒した。しかし、ここから彼女のスイッチが入った。

「毎日姉にコテンパンに負けていました。でもなぜ勝てないのか理解できず、毎日負けたことに怒って、明日は勝ってやると挑戦し続けていました」

 負けては怒る、そして次の日も挑む。その繰り返し。負け続けても、彼女は親にアドバイスや指導を請うことはしなかった。

「人にとやかく言われるのが嫌いだし、問題を自分で解決することがパズルを解くみたいで楽しかったんです」

 勝ちにこだわる激しい競争心と冷静に難関を攻略する知能は、この日々の中、同時に確立されたのかもしれない。

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