「私の女子プロの日常はこれ」と誇らしげに

　大ダメージを負いながらも尾崎と山下のアシストを得て勝利したラム会長は、666ファンに「女子プロレスやってる私はどうですか」とアピールした。さらに「私の女子プロレスでの日常はこれなんです。メチャクチャ揉まれてます」。そう言って笑う姿は誇らしげでもあった。

　といって真剣さだけを売りにするつもりもない。当初は出場しないはずだったメインイベントこと“茶番”にも登場、次から次へと現れる謎の対戦相手を秒単位でなぎ倒し、会場中がそのバカバカしさにへそで茶を沸かす中、気がつけば6試合もしていたのだった。

　昼のアイスリボン横浜大会にも出場しているから、トータル7試合だ。なんだかよく分からないが、よく分からないことによる安心感のようなものもあった。「私がやってることを（1大会で）全部ギュッとした感じ」と大会後のラム会長。

“可愛い怪奇派”の次の目標

　黒のコスチュームに身を包み、顔面にペイントを施した姿とリングネームはフィクション性が強い。しかし“キャラ”を作り込みすぎることはなく、グッズ売店でのファンへの対応はフレンドリーだ。

　シリアスもコミカルもOK、キャラと素の配合比率を自在に変えられるのがラム会長の魅力であり能力の高さだ。“子役”から脱し、実力をつけても「ラムちゃん」という呼ばれ方に違和感はない。マット界随一の“可愛い怪奇派”の次の目標は「三十執念」だそうだ。

「やっててもおかしくないのが怖い（笑）」

　その時が来るのは2035年。それでも彼女はまだ30代で、きっとファンに「可愛い！」と言われながらベルトを何本も巻いているんだろうと思う。

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