甲子園の風BACK NUMBER
花咲徳栄、大阪桐蔭、東海大相模……。
今年の夏はリモートブラバン甲子園!
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2020/08/09 20:00
花咲徳栄高校吹奏楽部の練習風景。フルートは、楽器の口を当てる部分に手作りのフェイスガードを付け、打楽器はマスクをして演奏。
ネット配信すればTV観戦の親御さんも見られる。
リストを見ていると、例年のラインナップと異なり、『タイガーラグ』がある。秋田県のほとんどの学校が演奏し、“ご当地応援曲”と化しているジャズのスタンダードナンバーで、やはりリクエストしてきたのは秋田県出身の選手だった。おそらく子どもの頃から秋田の球場でタイガーラグを聴いて育ったのだろうな、と推測している。
この日の練習では、今年の応援曲すべてを録音し、野球部にプレゼントした。CDで渡すのではなく、Dropbox(インターネット上でファイルの保管や共有ができるサービス)を通じて渡すというのが今っぽい。
「Dropboxにアップして音源データを渡せば、スマホで共有しやすいので移動中にも聴けるかなと思いまして」(川口氏)
休校中、オンライン授業が増え、さまざまなネットサービスを使いこなしている先生方。今回のリモート応援は、花咲徳栄高校吹奏楽部の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UChrPgq9jwIj5-WwyQQ0C1IQ)で、「YouTube Live」という機能を使って生配信する予定だ。
「学校で演奏するだけなら校内にしか届きませんが、ネットで配信すれば、家でテレビ中継を見ることにした親御さんたちにも喜んでいただけるかなと考えました。テレビで試合を見ながら、スマホやPCでリモート応援の生配信を流せば、甲子園にいるような臨場感を楽しんでいただけるのではないかと思います。なにぶん初めてなもので、プレーと音のタイミングがぴったり合うかどうか不安ですが、少しでも選手たちの力になれるように、学校で思いを込めて演奏したいと思います」(川口氏)
野球部の3年の出場メンバー全員の名前をコール。
8月12日(水)に登場する智弁学園(奈良)は、吹奏楽部とチアの応援動画を、当日学校の公式サイトにアップ予定。
「吹奏楽部も甲子園で吹けないという鬱憤が溜まっていたようなので、ガス抜きにチアの先生と相談して、動画を撮ることにしました。野球部の3年の出場メンバー全員の名前をコールしてます」
と、智弁学園吹奏楽部顧問・青山浩氏。