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花咲徳栄、大阪桐蔭、東海大相模……。
今年の夏はリモートブラバン甲子園!

posted2020/08/09 20:00

 
花咲徳栄、大阪桐蔭、東海大相模……。今年の夏はリモートブラバン甲子園!<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

花咲徳栄高校吹奏楽部の練習風景。フルートは、楽器の口を当てる部分に手作りのフェイスガードを付け、打楽器はマスクをして演奏。

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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Yukiko Umetsu

 8月10日(月・祝)から原則無観客で始まる、「2020年甲子園高校野球交流試合」。吹奏楽部やチアなどの応援団も来られないため、バットにボールが当たる時の音や、捕手のミットにボールが収まるときの音など、球音が響く中で静かな熱戦が繰広げられることだろう。

 新型コロナウイルスの影響で、全国の学校が春から休校になり、部活も一斉に休みに。“吹奏楽の甲子園”である「全日本吹奏楽コンクール」も中止となり、甲子園のアルプススタンドで応援することも叶わなくなった吹奏楽部だが、開幕試合の大分商(大分)対花咲徳栄(埼玉)戦で花咲徳栄高校吹奏楽部がチャレンジするのが、「リモート応援」だ。初の試みとなるリモート応援の練習風景を取材しに、花咲徳栄高校を訪ねた。

無観客で応援無しを、どうにかしたかった。

 場所は、広々とした吹奏楽部の練習場。いつもより距離を取って並び、消毒や手洗い、つばの処理の方法など、感染対策を徹底しながら合奏を行う。

 当日もここで、大きなスクリーンでテレビ中継を観戦をしながら、選手の応援曲やチャンステーマを演奏し、甲子園にいる仲間たちにエールを送る。なぜリモート応援を思い立ったのか、吹奏楽部顧問の川口智子氏に聞いた。

「ここ数年、毎年のように野球部が甲子園に出場し、吹奏楽部も応援に駆けつけていたので、無観客で応援なしということが決まり、まず野球部に何かしてあげたいと思ったんです。選手たちの応援曲を録音し、音源をプレゼントすることはすぐ考えましたが、やれるかどうかわからないけどリモートで応援するのはどうだろう、と思ったんです」

【次ページ】 「同級生が野球部で、甲子園で応援したかった」

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