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2020年最初のメジャーがついに開幕。
ウッズ、ケプカ、松山英樹の勝算は。
 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2020/08/06 11:30

2020年最初のメジャーがついに開幕。ウッズ、ケプカ、松山英樹の勝算は。<Number Web> photograph by AFLO

2017年に悔しい5位に終わった全米プロは松山英樹にとっても特別な大会なのだ。

ジャスティン・トーマスはキャディを変更。

 そのケプカを抑え込み、フェデックス・セント・ジュード選手権で優勝したトーマスは、世界ナンバー1に返り咲き、今週は王者の立場で全米プロ2勝目を狙う。

 トーマスも変えたものがある。それは、そもそもは彼が望んで行ったチェンジではなく、そうなってしまったチェンジだった。

 プロ入り以来の相棒キャディ、ジム・ジョンソンが体調不良を訴え、メモリアル・トーナメント3日目に戦線離脱。その場に居合わせたトーマスのコーチで父親のマイクが急きょバッグを担いだが、先週と今週はフィル・ミケルソンの長年の相棒だったベテラン・キャディのジム・“ボーンズ”・マッケイを起用している。

 トーマスがボーンズとタッグを組むのは今回が初めてではなく、2018年のソニー・オープンでも臨時キャディを依頼したことがあった。それはさておき、今回は、トーマスのゴルフや性格などすべてを熟知したレギュラー・キャディではなく、臨時キャディであることが、逆にトーマスのメンタリティを安定させている様子である。

「ボーンズはまだ僕のことを知らないので、どうしても僕が自発的に動くことが多いけど、日に日に快適になっている」

 いつもとは少し勝手が異なる分、勝利への渇望や欲望を先走らせることなく、自分に不慣れなボーンズとじっくりしっかり確認し合うことで、逆に安全確実なゴルフが実現されている。

ワナメーカー・トロフィーは誰の手に。

「このところ僕は勝つことに苦悩していた」

 コロナ禍からの再開後、何度も優勝争いに絡みながら惜敗。ワークデー・チャリティ・オープンで新鋭コリン・モリカワにプレーオフで撃破された経験はビターな味わいだった。だが、ボーンズとともに挑んだフェデックス・セント・ジュード招待で見事に勝利を挙げたことは「いろんな意味で意義深い」。

 機は熟した――このフレーズは、ケプカのためのものであり、トーマスのためのものでもある。

 そして、ゴルファーとしては、すでに完熟しているウッズが、再び勝利を手にする可能性も、無きにしも非ず。

 果たして、今週、ワナメーカー・トロフィーを手に入れるのは誰か。

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