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2020年最初のメジャーがついに開幕。
ウッズ、ケプカ、松山英樹の勝算は。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2020/08/06 11:30
2017年に悔しい5位に終わった全米プロは松山英樹にとっても特別な大会なのだ。
ウッズは「Of course」と答えた。
何はともあれ、ゴルフ界ではメジャー開幕前の話題はやっぱりタイガー・ウッズに集中するのが常である。
すでにTPCハーディング・パークで日曜日に18ホール、月曜日に9ホールを回ったウッズは、米メディアの「勝てるか?」の問いかけに「Of course(もちろん)」と笑顔を輝かせながら頷いた。
とはいえ、その2語にどれだけ現実性があるかがシビアに取り沙汰されている。この全米プロはウッズにとっては今季わずか5試合目。ツアー再開後は、わずか2試合目にすぎない。
2月のジェネシス招待で腰痛を発症し、最下位に終わったウッズが、次に臨んだ大会がツアー再開後の7月のメモリアル・トーナメントだった。しかし、初日に好発進したにも関わらず、40位タイにとどまった。
振るわなかったのは腰の悪化のせいだったのか、はたまた5カ月という長いブランクのせいだったのか、あるいは44歳という年齢のせいだったのか。その答えは、今のところは不明としか言いようがない。
TPCハーディング・パークは、かつてウッズが2005年に世界選手権シリーズのアメリカンエキスプレス選手権を制した場所であり、2009年プレジデンツカップでスティーブ・ストリッカーとタッグを組み、5戦全勝を挙げた場所でもある。
ウッズの言葉とその裏側。
だが、あれから10年以上の歳月が流れた今でも、それがウッズにとって「相性がいいコース」と言えるのかどうかは疑問である。というのも、今のウッズは以前より体力も筋力も飛距離も格段に落ち、当時と同じゴルフはできない状態になっているからだ。
とはいえ、そのTPCハーディング・パークに再び立ったウッズは、きわめて前向きに見通しを語っている。
「いい感じだ。(フロリダの)ホームコースでたくさん練習してきたから準備は万端だ」
確か、メモリアル・トーナメントで好発進した初日には「ホームコースを回るのと試合で回るのは全然違う」と言っていたはずで、コメントに一貫性がないところは、なんともウッズらしくない。
そんなちぐはぐな返答は、自信の欠如の表れだ。だが、それでもウッズは自信をアピールすべく言葉を続けた。
「いくつかのチェンジを行なった。それらをしっかり身に付け、試合に備えたい」