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2020年最初のメジャーがついに開幕。
ウッズ、ケプカ、松山英樹の勝算は。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2020/08/06 11:30
2017年に悔しい5位に終わった全米プロは松山英樹にとっても特別な大会なのだ。
可能性は高くなくても、ひょっとしたら……。
スイングを改良したのか、セットアップを変えたのか、それともパットの何かを修正したのか。チェンジの具体的内容は「それは言わない」とウッズは笑った。
そして、これから迎える今季3つのメジャーすべてにしっかり備え、勝利するためのスケジュールやトレーニング方法を見い出すことに、ことさらに努めているという。
「チャレンジすることが楽しみだ」
ウッズの全米プロ勝利の可能性は現実的には決して高くはないと見られている中で、ここまで自信を見せるウッズの笑顔が少々不気味である。
ひょっとしたら……そう思わせ、ドキドキさせてくれるのは、やっぱりウッズだけである。
3連覇に挑むケプカは「100%」。
ウッズはテクニカルな「何か」をチェンジして全米プロに挑もうとしているが、優勝候補の選手たちも、それぞれに「何か」を変えて、全米プロ制覇を目指している。
昨秋に左膝の手術を受けたケプカは、回復して出場した韓国開催のCJカップで転倒し、再び故障。「練習すると、すぐに痛くなり、冷やすことの繰り返し。練習時間も練習量も気持ちも制限されてきたけど、それでも日に日に良くなってきた」と常に前向きだった。
フェデックス・セント・ジュード招待の開幕前、すでにケプカは「今、僕の心身は100%ヘルシーだ。機は熟した」と言い切り、パット専門コーチのフィル・ケニョンに師事し、勝利こそ逃したものの、その効果は優勝争いの中で早々に見て取れた。
「米ツアーでは僕に親友はいない。必要だとも思わない。ライバルもいない。誰もライバルだとは思わない」
孤独や孤立、批判も厭わないケプカのこのメンタリティは、好きか嫌いかはさておき、少なくとも戦いには向いており、大会3連覇という94年ぶりの快挙が達成される可能性は大だと私は思う。