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『ウサイン・ボルト自伝』
野生児からスターへ。
とてつもない才能の源流とは。 

text by

後藤正治

後藤正治Masaharu Goto

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posted2020/08/16 08:30

『ウサイン・ボルト自伝』野生児からスターへ。とてつもない才能の源流とは。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『ウサイン・ボルト自伝』ウサイン・ボルト 生島淳訳 集英社インターナショナル 2015年刊 2300円+税

 地図で見るとキューバの南、カリブ海に浮かぶマンゴー状の小島がジャマイカである。鉱物ではボーキサイト、農産物ではヤムイモ、ココナッツ、バナナが特産とあるが、もう一つの“特産”は陸上のスプリンターであろう。

 近年、“原産地”を含め、ジャマイカ出身の走者は数多いが、ウサイン・ボルトは傑出している。五輪では北京('08年)、ロンドン('12年)、リオ('16年)の100・200メートルで3連覇。100メートル9秒58('09年、ベルリン世界選手権)は燦然と輝く世界記録である。本書はその自伝の翻訳である。

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