野球善哉BACK NUMBER
秋山翔吾がメジャーで一番変えた事。
「日本にいる時よりバカやってます」
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byAFLO
posted2020/07/30 17:00
孤高のイメージが強かった秋山翔吾だが、メジャーではより積極的にコミュニケーションを取っている。
「陽の当たる場所」と、裏側。
もちろん、坂本や柳田の選択を安易だと思っているわけではない。巨人やソフトバンクで活躍し続ける難しさは秋山が経験してきた難しさと大きく違うと感じ、彼らとの立ち位置の違いをこう語っている。
「その違いは何かというと、陽の当たり方でしょうね。球団の人気も関係してのことですけど、彼らはずっと陽の当たるところにいるので、すごくプレッシャーがあると思うんですよ。それでもずっと結果を残し、応援されている。それがあるから僕はずっと裏だという意識でいたし、だからこそ負けたくないという思いを持ちながらやってこれた要素でもある」
今年の頭にアリゾナでのキャンプでは、日本にいたとき以上に周囲とフランクに、密接にコミュニケーションをとろうとする秋山の姿に驚かされた。
こういう変化のひとつひとつが、彼を成長させる糧になるのだろう。
メジャーで早く「バレたい」。
秋山はいう。
「日本でのプロ1年目と異なるのは、ロッカーにいるときにコミュニケーションをとるようになったことです。待つだけじゃだめだなっていうのはすごく感じていたから、通訳のルークが多忙でいないときには自分から挨拶して、相手が喋ってくれたことを何とか聞き取ろうっていうことをしていました。それがメジャーに来てからの自分の変化かもしれないです。
新しいところに入るにあたって、いろんな失敗もあれば、良かったことも過去にはありました。その経験があったから『人見知り』をしている意味はないなと思ったんです。
秋山がどういう人間か、良く言えば『わかってもらう』だし、悪く言えば『バレる』のも早いほうが理解し合えるじゃないですか。どんな人間かわからないまま平行線で行くのは時間のロスだし、なにかコミュニケーションをとらなきゃいけない大事な時にとれないっていうのが困るから、自分から積極的にいっています。日本にいる時よりもちょっとバカやってると思います」