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NBA開幕はいきなり見どころ満載!
八村塁、渡邊雄太のビッグチャンス。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2020/07/28 12:00
来季の契約へ向けて調子を上げつつある渡邊雄太と、ウィザーズでプレイオフ進出を狙う八村塁。
ウィザーズの正念場は最初の2試合!
ウィザーズにとって、8試合のシーディングゲームのうち鍵となるのは最初の2試合だ。
初戦の相手、サンズは再開シーズンに参加しているウェスタン・カンファレンスの中で最下位のチームで、取りこぼしはできない。
2試合目の相手のネッツは、プレイインの対戦相手になりえるチームで、勝てばゲーム差を1試合縮めることができる。
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この最初の2試合に勝てばプレイインゲームが見えてくるが、逆に2試合、特にネッツ戦を落とすと先行きが厳しくなる。
渡邊雄太のグリズリーズは有利だが……。
ウェスタン・カンファレンスの最後のプレイオフの座は大混戦だ。
ウェスタン・カンファレンスから再開シーズンに参加しているのは13チーム。8位のメンフィス・グリズリーズから13位のフェニックス・サンズまでの6チームが、最後の1つのプレイオフの座をかけて争うことになる。
渡邊雄太が所属するグリズリーズは、その6チームの中では頭ひとつ抜けた立場にある。
強豪揃いのウェスタン・カンファレンスの中で予想を上回る8位。新人王間違いなしのジャ・モラントと、2年目のジャレン・ジャクソンJr.の若いコンビを軸に、センターには中堅のヨナス・バラチュナスと、バランスよく戦力が揃っている。9位のポートランド・トレイルブレイザーズに3.5ゲームの差をつけている。
もっとも追いかけてくるチームの中に強敵が多いだけに、気を緩めることはできない。中でも、ブレイザーズは侮れない相手だ。
中心選手の故障もあって順位を落としてはいたが、長い中断期間が幸いして、ザック・コリンズやユスフ・ヌルキッチが復帰。シーズン途中から加入したベテランのカメロ・アンソニーも中断中に身体を絞ってコンディションを整え、デイミアン・リラードとCJ・マッカラムとのガード・コンビによる得点力をサポートする。
10位の2チームのうち、ニューオリンズ・ペリカンズは、中断前に厳しいスケジュールを戦った分、シーディングゲームのスケジュールは上位チームとの対戦が少ない。故障から復活したザイオン・ウィリアムソンや、成長著しいブランドン・イングラムなど、才能ある若手選手が揃っている点ではグリズリーズに引けを取らず、グリズリーズとのプレイインゲームとなった場合には、全米が注目する対戦となりそうだ。
グリズリーズに所属する渡邊は2ウェイ契約という立場で、レギュラーの戦力というよりは、万がいち故障者が出た場合に備えて待機する予備戦力と考えられている。タイラー・ジェンキンズHCは、相手チームとのマッチアップによって起用選手を入れ替えることを示唆しているが、選手層が厚いなかで出番が与えられる保証はない。それでも、いつ、どんなチャンスが回ってくるかわからないのがNBA。渡邊も名前を呼ばれたときのために準備をして待ち構えている。