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スタジアムとラジオの言葉。
~捕手の構えた場所が聞こえて~
posted2020/07/05 08:30
![スタジアムとラジオの言葉。~捕手の構えた場所が聞こえて~<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/1500wm/img_55f68dce49f2a5b17e2086cd78b046fb410387.jpg)
開幕日のメットライフドーム。ラジオを聴きながらの観戦を楽しめる日が待ち遠しい。
text by
![藤島大](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
藤島大Dai Fujishima
photograph by
Hideki Sugiyama
野球中継はラジオに限る。旧知の酒場の主人がそう言った。そろそろ還暦。東京都内でワールドクラスの手羽のから揚げを供する。
原点は子どものころだ。テレビの中継が試合の途中で終わる。あわてて押し入れに潜り込みラジオで続きを聴く。
「暗闇でなんとか周波数を合わせる。アナウンサーの声がする。そしたらパーッと球場の絵が浮かんでくるんだよ」
カツオの刺身をあつらえながらこう続けた。
「ラジオの言葉は頭に残る。テレビは消えていくのに」
6月21日。神宮球場。実況中継の言葉が波紋を呼んだ。ヤクルトと中日の無観客戦の一幕である。
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