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PGAツアーでコロナ被害が急拡大。
会長の苛立ちと行動規制の現実味。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2020/06/25 17:00

PGAツアーでコロナ被害が急拡大。会長の苛立ちと行動規制の現実味。<Number Web> photograph by AFLO

試合の中断中のブルックス・ケプカとダスティン・ジョンソンの様子。割と無防備にも見えるが……。

検査の結果待ちの間は……。

 1つ1つ、「いいこと」と「悪いこと」、「できること」と「できないこと」をクリアにしていくしかないだろう。

 明らかに改善されるべき点としては、PCR検査の結果待ちをしている間の試合会場への入場を現状では「OK」としているが、米ツアーはその規定を「NG」にすることだろう。

 ワトニーもチャンプも、結果待ちをしている間にコースへ行き、練習エリアへ足を踏み入れている。今のところ、その間に2次感染が起こったという事実は報告されてはいないが、つぶせる可能性は徹底してつぶすべきだ。

 それは誰もがわかることであり、米メディアも再三に渡って批判し、警告しているにも関わらず、なぜ米ツアーはその対処がスローなのかは疑問である。

早期発見を促すリストバンド。

 一方で、評価できる対処もある。陽性判定が続けざまに出ている事態を受けて、米ツアーはWHOOPを1000個、緊急入手して関係者に配ることを決めた。

 WHOOPは手首に付けていることで心拍数や呼吸数を示すリストバンド状の健康機器。ここ数年、多くの選手が利用しており、他競技のアスリートの間でも人気を博している。ワトニーはこのWHOOPで自身の体調の異変を確信し、PCR検査を受けて陽性が確認された。

 これを関係者に配布し、利用してもらうことで早期に異常を知り、検査を受けることが促進されれば、米ツアーにおける感染拡大に歯止めをかける上での大いなる補助になる。

 誰にも確かな答えがわからず、冷静沈着なはずのモナハン会長が思わず声を荒げる混沌とした事態だが、できること、やれることを、やっていくしかない。

 求められるものは「忍耐」。ゴルフの戦いにおいても、試合やツアーの続行においても、苦悩の中の「忍耐」が最大のカギになりそうだ。

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