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人種差別と戦うレブロン、カリーら。
NBAにも受け継がれるアリの信念。 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byAl Bello/Getty Images

posted2020/06/12 17:00

人種差別と戦うレブロン、カリーら。NBAにも受け継がれるアリの信念。<Number Web> photograph by Al Bello/Getty Images

人種差別に対するプロテストに参加するNBAの選手たち。過去に抗議のシャツを着た姿を見せたレブロン・ジェームズもTwitterで現状を嘆いた。

カリーら現役選手も抗議活動に参加。

 元選手だけでなく現役選手もプロテスト(抗議活動)の中でアクティブに動いている。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン(ともにゴールデンステイト・ウォリアーズ)はカリフォルニア州オークランドでのデモに参加し、「ジョージ・フロイド!」と叫びながら歩いている姿がチームの公式アカウントに投稿された。昨季新人王候補になったトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)も故郷オクラホマの集会でスピーチしている姿が大々的に報道されている。

 その他、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、ラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)、カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、デマー・デローザン(サンアントニオ・スパーズ)、マルコム・ブログドン(インディアナ・ペイサーズ)など、多くの選手が抗議活動のデモ、ウォークなどに参加し、SNSでも数え切れないほどの選手が声を挙げている。もともと黒人選手が圧倒的に多いリーグだけに人種問題への関心は極めて高く、特に今はコロナでシーズンが中断中だけに、デモ参加といったアクションを起こすことも可能になったのだろう。

一過性のものに終わらせないために。

 ボストン・セルティックスでプレーする23歳のジェイレン・ブラウンは、5月下旬にボストンからアトランタまで15時間かけてドライブし、高校時代を過ごしたジョージア州の抗議活動に参加した。その後のブラウンのこんな言葉から、選手たちの意識が見えてくる。

「僕は黒人で、このコミュニティのメンバーだ。僕たちが目撃していることに関して“Awareness(認知度)”を高めていきたいんだ」

 人種差別に限らず、大規模なプロテストを一過性のものに終わらせないためには、その問題に対する世間一般の認知度が鍵になる。まずは何が起こっているかを世界中に知ってもらわねばならない。それを成し遂げるために、人種を問わず知名度の高いNBA選手の発言には大きな意味があるのだろう。

【次ページ】 人種差別撤廃を訴えたアリ。

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