“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
浅野拓磨が高校生90人に語ったこと。
「誰よりも自分に一番期待して」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2020/06/10 11:30
新潟明訓高校のリモートミーティングにゲストとして招かれた浅野拓磨。自身の経験をもとに高校生たちへメッセージを送った。
感謝の気持ちが力に変わる。
浅野は最後に、より熱量をのせて高校生たちにメッセージを送った。
「将来の目標と夢があれば、時間の過ごし方も工夫できる。ただ、目標や夢を持てたとしても、悪い時に頑張り続けるのは難しい。でもそこで力に変えてくれるのは感謝の気持ちだと思うんです。感謝の気持ちって、誰かに押し付けたり、周りに言われて感じるものではなくて、自分で感じるもの。人に『ありがとうと言いなさい』と言われてから言う『ありがとう』は気持ちがこもっていない。僕は両親に対して自然と『サッカーを続けさせてくれてありがとう』、『送り迎えしてくれてありがとう』、『試合見に来てくれてありがとう』、『ここまで育ててくれてありがとう』という感謝の気持ちがあって、『感謝=恩返し』がワンセットなんです。恩返し自体が僕の中で目標の1つになるんです。
プロサッカー選手になる、次の試合で点をとって喜ばせる。では、そのために自分は何をすべきか考える。家族だけではなく、中学の先生や高校の先生に対してもそう。僕も学生時代は成績が良いわけではなかったのですが(笑)、お世話になった先生たちにより応援してもらえる存在になれるように、授業態度はしっかりとしていましたよ。絶対に寝ない。遅刻しない。提出物は期限内に必ず出す。そうなると先生が自分を応援してくれるんです。すると、さらに感謝をして恩返しをしようと目標が生まれる。このサイクルが生まれると、『今やれることに全力で打ち込もう』に辿り着くんです。ぜひ、自然と生まれる感謝の気持ちを大切にしてください」