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<リーグ再開と今後を語る>
長谷部誠「自分にはサッカーしかない」
posted2020/06/06 11:30
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
AFLO
猛威を振るう新型コロナウイルスの影響でほぼ全世界のサッカーシーンがストップするなか、5月16日にブンデスリーガが先陣を切って再開した。リーグが定めた詳細な安全ガイドラインのもと、これまでとは大きく姿をかえて帰ってきた“日常”。再開初戦を終えた長谷部誠が複雑な胸中を語った。(Number1004号掲載)
オンラインで聞く長谷部誠の声は、これまでと同じく明瞭で快活で、穏やかだった。しかしその裏で、新型コロナウイルス感染拡大による新たな現実に激しい葛藤があったのだという。これまでならリーダーとして発言していたかもしれない危機にも発信を控えていたわけ、リーグ再開強行への思い、そして自身の未来。自問自答の末にプロとして導き出した答えとは。
――ブンデスリーガは新型コロナの影響で3月15日の週から中断になりました。当初は決定をどのように受け止めたのですか?
「ウイルス自体は目に見えないので、その時点では、脅威についてそこまで深刻には考えていなかったんです。ただ、チームメイトが感染したと伝えられて、改めて僕たち選手も検査をしなければならなくなり身近に捉えました。そのPCR検査の結果が出るまでに日数がかかったんですが、その間は、『自分も感染しているかもしれない』という不安がありました。その不安は自分自身にというよりも、家族や知人たちに対して。僕からウイルスを拡散させてしまった可能性があると考えたときには、申し訳ないと思うのが正しいかはわからないんですけども、相手を不安にさせてしまったと感じました」