野球のぼせもんBACK NUMBER
ルーキー・松田宣浩を覚えているか?
2006年の熱男と王監督の助っ人解雇。
posted2020/04/18 09:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
熱男の輪が広がっている。
ホークスの松田宣浩が自身のインスタグラムで「大変な時期ですけど、ここは力を合わせて乗り越えていきましょう」というメッセージと共にお馴染みの本塁打パフォーマンス「熱男~!」を披露したうえで、「次はアナタです」と締めくくった。
「#ひとつになって乗り越えよう」というハッシュタグを書き添えてリレーを発案したのだ。
すると、その日のうちに内川聖一がバトンを受け取り、柳田悠岐や今宮健太、東浜巨らがすぐさま反応。自身の動画発信とともに引き継ぐ選手のアカウントを記載して、あっという間に波及していった。
球団の枠を超えてオリックスの吉田正尚や阪神の糸井嘉男、日本ハムの杉谷拳士らも参加。そして内川からの指名で浦和レッズの槙野智章も「熱男」を叫び、サッカー界にもつながった。
さらに、ホークス和田毅がタレントの武井壮を指名したことで芸能界にも広がった。指原莉乃やお笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一もそれぞれの「熱男~!」で盛り上げに一役買った。
松田宣の思いと行動力によって元気をもらったという人々が、これからも増え続けていくだろう。
3度目の開幕初打席1号は幻になったが。
とにかくエネルギッシュな男だ。
5月で37歳を迎えるが、まるで衰え知らず。昨季まで2年連続30本塁打以上をマークし、5年連続フル出場と7年連続ゴールデングラブ賞も継続中。今春のオープン戦でもチーム最多の3本塁打を放ち、3月20日に行われたロッテとの練習試合でも第1打席で会心のアーチをかっ飛ばした。
3月20日。本来ならばペナントレースが開幕するはずの日だった。2012年と昨年に続く、自身2年連続3度目の開幕初打席1号弾は幻になってしまったが、「心も体もこの日を思って準備してきた」と胸を張り、ダイヤモンドを1周すると誰もいないライトスタンドではあったが、躊躇なく「熱男~!」を力の限りに叫んでみせた。