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メジャーリーガー前田健太の手応え
「僕はもっともっと成長できる」

posted2020/04/01 11:00

 
メジャーリーガー前田健太の手応え「僕はもっともっと成長できる」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph by

Naoya Sanuki

 今年2月、4年間在籍したロサンゼルス・ドジャースを離れ、ミネソタ・ツインズに移籍した前田健太。すでに先発ローテーションの一角を任されるなど、チームからの信頼も厚い。ミネソタで練習を行う彼を訪ねると、野球少年のようにキラキラとした目で「いいピッチャーの投球を見るのって面白いんですよ」とブルペンに立つチームメイト、ホセ・ベリオスのピッチングを熱心に見つめていた。

 昔はむしろメジャーリーグなんて行きたくないと思っていました。中学の時から海外で試合をすることがあったのですが、食事が合わなかったり、すごく大変で。

 その気持ちが変わった理由は色々あるけれど、最初のきっかけはWBCですね。メジャーリーガーとプレーをして、こんなにすごい選手がいるのかと肌で感じた。

 ダルビッシュ(有)さんや(田中)将大がメジャーリーグに行って、日本と同じような成績をなかなか残せないのを見て、こんなにすごいピッチャーでも打たれてしまうんだ、じゃあ自分がメジャーリーグでプレーをしたら、どんな成績になるんだろう、どうやったら生き残っていけるんだろうというのを、日々考えるようになりました。

 子供がプロ野球選手になりたい気持ちと一緒ですよ。高いレベルを夢見て、自分より強い選手とプレーをしたい、彼らに勝ちたいという気持ち。その思いが高まって、メジャーリーグに行きたい気持ちが固まりました。

長所で勝負をしていくことがすごく大事。

 外国人選手はやっぱり体も大きいし、球も速いし、敵わないと思うところはたくさんあります。

 だから諦めるところは諦める。

 だって、僕が今からパワーで彼らと勝負しようと思っても、勝てるわけがないから(笑)。同じことをしていたら、それこそ一生勝てない。ただ、僕の長所もたくさんあって、そこでなら勝てる部分もあるわけです。自分の短所と長所をしっかりと理解して、自分の持っている能力を最大限に引き出して、長所で勝負をしていくことが、すごく大事だと思っています。意外と、自分を理解できていない選手って多いんです。僕は自分自身を理解して、自分の体の使い方や、どうすればいいボールを投げられるかというのをきちんとわかっていて、それが最大の長所だと思っています。

【次ページ】 将大とはライバルのように言われるけど。

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