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入団時の「優勝宣言」が現実に!?
AZ菅原由勢が狙う11年ぶり快挙。
posted2020/03/28 08:00
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
Getty Images
口にした思いのとおりに現実が動いていく――。今からおよそ半年前の10月27日、エールディビジ第11節。アウェイでPSVに勝利した後で、菅原由勢は、しみじみとこんな話をしてくれた。
「チームのためを思って言いましたけど、上手くそれが結果に現れているので、面白いものだなあと思います(笑)」
昨夏、名古屋グランパスからAZに1年間の期限付きで移籍した菅原は、合流するや否や、チームメイトの前で「優勝」を宣言したのだという。その意図は、個人的な野望の表明というよりは、チームに起爆剤を投下して発奮を促すため、といったところだろうか。
「もちろん場を盛り上げるために言った、というところもありますけど、もちろんこのクラブに歴史があることも知っていますし、リーグ優勝の経験もあることを知った上で言いました。
やっぱり違う国から来た外国人選手が『優勝を目指して戦いたい』って言って、練習から常にハードワークしていれば、その様子を見たチームメイトも『やらなきゃ』ってなると思います。一言でもチャンピオンになりたいっていう選手がいれば、頭に残るとは思うので、チームのためを思って言いました」
優勝を狙うも、まだまだシーズンは長い。
10月下旬に行われたこの試合で、オランダ3強の一角に4-0で圧勝したAZは、4位から2位に浮上していた。もちろん「まだまだ」シーズンは続いていく。先は長い。首位には王者アヤックスが君臨している。菅原も、目の前の試合を着実にこなしていくことの重要性を強調した。
「今日勝ったことによって順位は上がると思いますけど、まだまだ戦いは続くので、しっかりと次の試合にまた切り替えないといけないと思います。
本当に1戦1戦チームは戦っている実感がある。もちろんヨーロッパリーグもあって多忙な日々ですけど、本当に雰囲気がいいです。今日で言えば僕と代わった選手が点を決めたりしましたけど、そういったすごくいい競争ができていると思うので、それが今のチームが波に乗っている証拠だと思います」