松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
車いすフェンシング・加納慎太郎と
松岡修造の対談に予期せぬ人物が参入!
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byNanae Suzuki
posted2020/05/03 08:00
真新しいナショナルトレーニングセンター東館にて、車いすフェンシングの加納慎太郎と松岡修造。
「やっていると闘争本能が呼び覚まされて……」
松岡「この剣も想像以上に重たい。よくこれを自由自在に操れますね」
加納「僕はリーチが短いので、相手に攻めさせて、どれだけカウンターで技を返せるかが重要になる。これをわりと僕は得意にしています」
松岡「不思議なもので、怖いんだけど、やっているとどんどん闘争本能が呼び覚まされていく感覚があるんです。テニスはいくら勝ちたいからといっても相手を突くことはできないけど、フェンシングだとそれができてしまう。なんか心が燃えてきませんか」
加納「でも、僕からしたらテニスの方がずっと大変だろうなって。暑い日とか雨の日でも、屋外でやらないといけないですし」
松岡「でもほんと、このメタルジャケットを着ると僕でも格好良く見えるね。ちなみに、慎太郎さんは競技の時は義足を外すんですか」
加納「外します。外さないとダメですね」
松岡「事故に遭って左足を失ったのは、高校生の時と伺いました。たしかバイクの事故だと……」
(構成:小堀隆司)
*本取材は緊急事態宣言以前に済ませたものとなります。
加納慎太郎(かのう・しんたろう)
1985年3月2日、福岡県生まれ。小学生のときに父の影響で剣道を始める。16歳の時にバイク事故で左足を切断。事故後も義足をつけて剣道を続けていたが、2013年、28歳のときに東京2020の開催が決定。パラ競技にはない剣道から、パラ競技種目であるフェンシングに転向することを決意し、練習を始める。'16年ヤフーに入社。SR推進統括本部スポーツ事業推進室に在籍しながら、東京パラリンピックを目指している。